第2話:特訓します。(2)

倒したゴブリンを見つめていたユキナは、少し手が震えながらも、次のステップに進むことを決意した。


ユキナは気を引き締め、木の棒を握り直す。


少しだけ震える手を抑えながらも、次に進む決意を固めた。


倒したゴブリンのことを振り返り、もう一度自分に言い聞かせる。


「次はもっと強いモンスターが出てくるかもしれない…⋯!」


その言葉を胸に、ユキナは洞窟の奥へと足を進める。


まるで決まった道のように、暗闇が彼女を包み込むが、気持ちは少しずつ落ち着いてきた。


しばらく進むと、再び音が響いてきた。今度は小さな足音ではなく、重く、低い音だった。


「何か大きなモンスターか…?」


ユキナは音の方に向かって歩きながら、そっと身をかがめた。


すると、目の前に現れたのは、ガーゴイル。


石のような皮膚を持ち、翼を広げてこちらに迫ってきた。


「うわっ!?」


驚きのあまり一歩後退しそうになったが、ユキナはすぐに踏みとどまる。


「こいつ、さっきのゴブリンとはレベルが違う…!」


ガーゴイルは鋭い爪をユキナに向かって突き出しながら、空中から急降下してきた。


ユキナはすぐに木の棒を構え、立ち向かう覚悟を決めた。


彼女は冷静にガーゴイルの動きを見定め、少しでも隙を見逃さないように心を込めて戦う準備をした。


「まずは避けないと…!」


ガーゴイルが爪を振り下ろしてきた瞬間、ユキナは軽く体をよけてその攻撃をかわした。


「今だ…!」


ユキナはガーゴイルの隙間に木の棒を突き刺すように振り下ろす。


だが、ガーゴイルの硬い石の皮膚にはあまり効果がなかった。


「え…!?効かない!」


そこでユキナは瞬時に考えた。


木の棒ではどうにもならないなら、もっと有効な武器を探すしかない。


そのとき、洞窟の隅に何かが光っているのを見つけた。


それは、古びた鉄のグローブだった。


「これなら…!」


ユキナはすぐに鉄のグローブを手に付け、構え直した。


「今度こそ…!」


ガーゴイルが再度爪を振り下ろしてきた瞬間、ユキナはその爪を鋭く振り下ろすのを見ながら後ろに避け、すぐに反撃を仕掛けた。


鉄のグローブの鉄の部分がガーゴイルの硬い石の皮膚に食い込み、少しずつその動きを止めていく。


「効いてる!これなら、いける!」


ユキナはグローブを引き抜き、さらに力強く攻撃を加えていった。


ガーゴイルは最後に一声叫ぶと、とうとうその場で倒れ込んだ。


「倒した…!」


ユキナはグローブを構えながら、少し疲れたが、それでも安堵のため息をついた。


しばらくその場に立ち尽くしてから、ゆっくりとガーゴイルの倒れた姿を見つめた。


「まだまだ、もっと強くなるんだ…!」


次に倒したガーゴイルを横目に見ながら、ユキナは次に向かうべき道を決めた。


新しい武器を手に入れたこと、そして一歩ずつ強くなっていく自分に、確かな手応えを感じていた。

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