第四章 玉砕

轟雷号が、外寇に向かって突撃した。

『大悟! 止まれ!』

司令官殿の悲鳴の如き声が響く。されど、大悟は止まらなかった。

外寇の爪が、轟雷号の胸部装甲を貫いた。

大悟は、その衝撃の中で、笑った。

「今ぞ……」

胸部装甲の奥——霊力核が、眩き光を放った。

核移植手順、起動。

轟雷号の全霊力が、外寇の体内に流れ込んでいく。

『あ……ああああああ……!』

外寇の絶叫が、夜空に響き渡った。

その巨体が、徐ろに崩れ落ちていく。

されど——その「顔」には、最早苦しみの色はなかった。

『忝い……』

穏やかなる声が、大悟の頭に響いた。

『漸く……靖国で……眠れる……』

外寇であったものが、光の粒子となって消えていく。

大悟は、それを見届けながら、薄れゆく意識の中で思った。

——小官は、正しき事を為した。

——御国を、守れた。

——天皇陛下万歳。

暗闘が、訪れた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る