第14話 地獄から天国へ

もう夜10時過ぎ。

焚き火も弱々しくパチパチ鳴ってるだけ。

俺とミッチーの顔、疲労とトラウマでゾンビみたい。おじさんと増尾はピンピンしてる。何でそんなに元気なんだよ!

おじさんが両手をこすり合わせながら、

「よし、最後の締めだ!」……まだあるのかよ!!!

俺、心の中で「勘弁してくれ……」って叫んだ。「キャンプの最後は、やっぱりこれだろ!」って、おじさんがバッグから取り出したのは……

缶ビール(俺らはコーラ)と、でっかいマシュマロ袋!「ビール&焼きマシュマロ大会だぁぁぁ!!」


……急にほのぼのしてきた!!!増尾「イェーイ!早く食おうぜ!」

ミッチー「……マシュマロ……?」って涙目で呟いて、

俺も「……もう怖いのはイヤだ……、甘いものでいい……、甘いもので……」おじさん、焚き火に串刺ししたマシュマロをジュワ~って焼きながら、

「ほら、焼けたらビスケットに挟んで食え! これがキャンプのデザートだ!」ミッチー、震える手でマシュマロ受け取って、

「……甘い……、美味しい……!」

って食べた瞬間、目から涙がポロリ。

「……生きててよかった……」俺も口に放り込んで、

うわ……、とろける……、幸せ……


ヒルもゲロも全部忘れそう……。増尾が「うめぇぇぇ!」って叫んで、

おじさんは星空見上げて「これがキャンプだよな~」って満足顔。……なんか、

地獄みたいな一日だったけど、

最後に天国が来た。俺たち、焚き火の前でマシュマロ食いながら、

無言で星を見上げてた。……明日もキャンプ二日目だけど、

もう何が来ても大丈夫な気がする(錯覚)。

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