第6話 鶏の丸焼き

薪割りで心が折れかけたところで、おじさんがまた新兵器持ってきた。「次はメインだ! 鶏の丸焼き~~~!!」ドンッ!

テーブルに置かれたのは……スーパーの袋に入った、生の丸鶏一羽。

首がグニャって曲がってて、目が……目がこっち見てる(ように見える)!俺、即後ずさり。

うわっ! マジでグロい! 羽抜いてあるけど、足とか頭とかそのままじゃん! これ食うのかよ!?増尾は「うおお!焼き鳥が丸ごと食える!」ってテンション爆上がりだし、おじさんは「ほれ、塩コショウ揉み込んで串刺せ!」って普通に指示飛ばしてる。


で、ミッチーが……

ミッチーが平然とその鶏を手に取った。

白い細い手で、グニッと首持って、普通に塩振ってる。

顔色一つ変えねえで、「こんなんでいいかな」とか呟いてる。俺、思わず叫んだ。「おいミッチー! お前やったことあんのかよ!?」 ミッチー、鶏の尻に串刺しながら小首かしげて、「ないよこんなの。でも別に死んでるから平気でしょ」……平気でしょ(ド平然)お前、さっき下痢で死にそうだったやつが、今は生鶏の肛門に串突っ込んでるんだぞ!?

このギャップなんなんだよ! 可愛い顔してサイコパスか!? いや、逆だ! サイコパスじゃなくて、単に「生きてるものじゃないと怖くない」タイプなのか!?


俺は横で「うわ……、うわ……」って顔背けてるだけで精一杯なのに、ミッチーは「宅間くん、ここ持ってて」とか言って鶏の足掴ませてくるし!

冷たい! 鶏が冷たい! 心臓に悪いって!増尾が「ミッチー意外とやるじゃん!」って褒めてるけど、俺の中ではミッチーのキャラが完全に崩壊&再構築された瞬間だった。可愛い顔して生鶏串刺し平気マン……恐ろしい子!

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