異世界にクラス転移中、神様のドジで俺だけ異世界転生
璃々宮志郎
第1話
「な、なんだ!!」
「おいおいこれはどうなってんだよ!」
「私達...死んじゃったのかな...」
ただ俺達は、ありきたりで普通の生活をしていただけだった。
「ふぉっふぉっふぉっ、元気があっていいのぉ」
クラスメイトが一斉に一人のご老人へと目を向ける。
「君たちには異世界で悪さをしておる魔王を滅ぼしてきてほしいんじゃ」
この言葉を皮切りに俺達の人生は、激変していくのだった。
俺こと
いや、周りにいるクラスメイトも異様なほどに落ち着いていた。
まるで誰かに魔法でもかけられているかのように。
「優斗...私たちどうなっちゃうのかな」
不安で震えていた俺の彼女、
そう。
俺も不安、恐怖それらを感じ取っているのにも関わらず、数秒で霧のように四散していく。
彼女も初めは肩を震わせ床に座り込んでいたが、今は一人で立てている。
何かがおかしい。
そう考えているとクラスカースト上位の一人、
「みんな!!俺達で異世界に居る魔王を倒そう!!そしてそこに住む人々を救うんだ!神様が言うには、魔王を倒し終えた後は、日本に帰ってこれるそうだ!」
――そうなんだ
――流石国崎!付いていくぜ!!
――きゃぁーー国崎くんかっこいい!
「魔王を倒せばみんなで日本に帰れるみたいだね」
「...そうみたい、だな」
話がどんどん進んでいく。
クラスメイトもやる気満々。
全てが順調に進んでいた。
誰一人として、文句を言う奴が現れない。
「ふぉっふぉっふぉっ、では君たちに不思議な力と勇者の称号を授けよう!!」
ご老人の背後に建っている石板が光りだす。
そしてその石板からクラスメイト全員に光が伸びていく。
「これで完了じゃ。勇者たちよ。神の使いと呼ばれとる巫女が住まう王都『セイクリッド』へと飛ばす。健闘を祈っとるぞ」
巨大な魔法陣がクラスメイトを中心に広がっていく。
一番端で静観していた俺達の元へと伸びていき――
「ありゃ、この魔法人で飛べるのは残り一人じゃな...」
俺達の前で魔法陣の広がりが止まる。
ご老人が何を言っているのかが分からなかった。
後一人しか行けない?
どこへ?
思考が定まらない。
ふと隣にいる咲良を見ると驚いたような顔をしていた。
そして次の瞬間、胴体にとてつもない衝撃を感じた。
そのまま俺は数メートル吹き飛ばされる。
「ガハッッ」
床を転がり、視点が定まらない。
何が起こったんだ。
痛みに悶えながらも目線を上げ、咲良を見ると隣には国崎勝人が立っていた。
咲良は取り乱し、涙を流しながら暴れているのが分かる。
あぁ。
俺が置いて行かれるのか。
そして咲良の足元まで魔法陣が伸びた瞬間、その場から咲良を含めたクラスメイトが消える。
一瞬の出来事だった。
何もできずに蹲る俺は今、滑稽だろうか。
「ふむ、すまぬの。一緒に飛ばしてやれんで。じゃが安心せい、君もこの後同じ異世界に飛んでもらうからな」
神様と名乗るご老人が一歩一歩近付いてくる。
そして俺の頭に手を乗せた瞬間意識が遠のいていく。
――神薙優斗君。いや、イアン・アーヴァイン。頑張るのじゃぞ。
ん。
ここはどこだろう。
俺は何してたんだっけ。
ギチギチギチ
く、苦しい。
だ、誰か。助けて。
い、息が...
「坊ちゃま?!」
勢いよく扉が開く。
ドアの前に立っているのはメイド服を着た背の高い女性だった。
「今お助け致します!!」
俺の首を絞めつけていた縄をほどいてくれる。
「坊ちゃま!なぜこのような事を!!」
「ありがと、う。レーゼ」
抱きしめてくれる彼女に俺は礼を言う。
そして俺の視界は再び暗転する。
どうやら俺は二日程目を覚まさなかったらしい。
目覚めた時、メイド服を着た女性に抱きしめられた。
「坊ちゃま、目を覚まさないかと思いましたよッ」
「....坊ちゃま??」
そういえば息が吸えなかった時も坊ちゃまって呼ばれてたな。
何のことだ?
俺が困惑しているのを感じ取ったメイドさんが「坊ちゃま...?」と声をかけてくる。
「あの、坊ちゃまって何ですか?」
異世界にクラス転移中、神様のドジで俺だけ異世界転生 璃々宮志郎 @ririmiyashirou
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