第4話 未送信に宿る、言葉の儚さ

 どれほどツールが発達しても、本当に伝えたい大切な言葉ほど、届けられずに終わってしまうという、普遍的な脆弱性が存在します 。


 タンポポの綿毛に託す未送信 風に揺らめきノイズに消える


 打ち込まれたまま送信されずにいる「未送信」の言葉 。デジタルな世界に留め置かれた想いを、アナログな祈りの行為である「タンポポの綿毛」に託す 。しかし、その美しい試みは、自然の法則である「風」に翻弄され、やがてデータが損失する「ノイズ」のように、どこにも届くことなく掻き消えてしまう 。デジタルとアナログ、二つの世界を越えようとした祈りが、双方の法則の前で無力であることを証明してしまう、この痛切なアイロニーを描いてみました。

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