第8話
友達の風凛は袋から桃を取り出し、七華の部屋にある小さな冷蔵庫にそっと入れた。
「これで桃、冷やしておこうよ」
七華はうなずき、二人はテーブルに向かい合って座った。風凛が紅茶のティーバッグをカップに入れ、お湯を注ぐ。ゆらゆらと湯気が立ち上がり、部屋に柔らかい香りが広がる。
「最近どうなの?」風凛が尋ねる。
「学校はもう行かなくてもいいの?」風凜。
「うん」七華。
「DTMで生きていこうよ」 風凜。
七華は紅茶のカップを手に取り、少し考え込むように顔を上げた。
「音楽で生きていくのって、そんなに簡単じゃないんだよ」
風凛は軽く。
「アップルのロジックミュージックパークでやってるオープンミュージックネットランキングシステム、結構評価高くなってたよ。ランキング見てたら、100位以内に入ってたんだ。私たちのバンド、仮想バンドだけど」
七華はカップを指で回しながら答える。
「ランキングに入ったからって、お金が支払われるわけじゃない」
「最新型のDAWの先行バージョンを優先的に使わせてもらえるじゃない?私たち」 風凜。
「それは、ただ単にバグテストを私たちにやらせてるだけだと思う」
風凛は少し驚いた顔をする。
「もしかして、私たち使われてるのかな」
七華は少し笑みを浮かべ、紅茶を一口飲んでから答える。
「そういう可能性も、なくはないかもね」
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