第2話
リルリナは、ゆっくりと上体を起こした。
さっきまで床に伏していたのが嘘みたいに、画面の中央に姿勢を戻す。
ただ、その表情はどこか慎重で、言葉を選んでいるようだった。
そして、七華の方をまっすぐ見て、話し始める。
「あなたの 改善要求は会社にとって ターニング ポイントになったんです」
一拍置いて、リルリナは続ける。
語調は淡々としているが、そこには記録を読み上げるだけではない重さがあった。
「その改善要求って人間が人間らしく生きていくためには AIの というよりも コンピューターの能力的な拡張が必要だってことだったんです 知性ではなくて あくまで 技術的な能力の拡張が必要だって書いてあったんです 人工知能っていうのは作れないっていうことも書いてました 知能 だったら人間と同じことが全く同じようにできなければいけないっていうことだから AI という単語は私は嫌いだということを書いてあって コンピューターの能力の拡張 サポートシステムっていう カテゴリーならば 私はその言葉ならは私は好き。 コンピューターが作った音楽というものの未来に関して あなたは会社に過大な期待を寄せているという内容でした」
七華は何も言わず、椅子の背にもたれたまま聞いている。
猫たちは相変わらず眠ったままだ。
リルリナは、一度視線を外し、どこか遠くを見る。
まるで当時の文章を、そのまま思い出しているみたいだった。
言い終えると、リルリナは黙った。
説明を終えた、というより、預かっていたものを返した、という沈黙だった。
七華はそのまま画面を見つめ、すぐには返事をしなかった。
部屋で丸くなって眠る猫たち。
その体は完全にリラックスしているが、耳だけはぴくぴくと微かに動いている。
時折、かすかに頭を傾け、何か面白いことが起きるのかと好奇心を覗かせる。
まぶたは閉じているものの、耳の先が空気の変化に反応して小さく揺れる。
まるで夢の中で遊んでいるのか、それとも音の向こうに小さな物語を追いかけているのか、微細な動きで存在感を示している。
静かに息を吐き、また耳だけがくるくると回り、眠りと好奇心の境界で揺れていた。
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