ネオ・出島の夜明け ～異世界団地と、銀色のパートナー～

1月1日、日本列島は異世界の海へ転移した。 輸入が止まり、電気が消えた日本。未曾有の危機を救ったのは、ダンジョンで「魔石」を掘る異世界からの難民たちだった。

海原市役所の公務員、柏木湊（かしわぎ みなと）。 彼が担当するのは、昭和の団地をリノベーションした多文化共生特区「ネオ・出島」。 そこは、狼人の戦士、ドワーフの職人、エルフの貴族たちが暮らす、カオスで賑やかな「隣人」たちの街。

魔法が使えない湊の武器は、腰の低い「スミマセン」という挨拶と、相手を想う「感謝」の心。 そして、そんな彼を「私の伴侶だ」と公言して守り抜く、最強で過保護な銀狼の姫・ライラ。

言葉の壁を越え、美味しい「銀シャリ」でエルフを救い、花火を見上げて手を繋ぐ。 これは、剣と魔法の世界で、公務員と異世界人が手を取り合い…続きを読む