第3話 フードコート
ネカフェに入って数日。
料金を少しでも抑えるため、俺は最安のナイトパックを利用している。
一日中ネカフェにいると出費が痛い。
朝になるとここは出ていき夜にまた戻る。そんな生活だ。
日中、俺は毎日必ず向かう場所があった。
――大型施設のショッピングモール。
目当てはフードコート。
外食が目的ではなく、充電コンセント付きの席が俺の目的である。
平日の昼間なら、空席も多い。
そして、“座っているだけなら金はかからない”。
これが、いまの俺にとって何より重要だった。
フードコートの端にあるコンセント付きのテーブルに座る。
持っているのは、リュックとスマホと、空のペットボトルだけ。
ペットボトルにはフードコートの無料の水を汲んで水分を確保する。
スーパーや自販機で買う余裕はない。
「……今日は見つかるといいな」
ケーブルを差し込み、画面を見つめながら求人を探す。
数時間、求人を開いたり閉じたり、気になる企業を調べたり。
りでは学生が騒ぎ、老人が新聞を読んでいる。
「今日も成果なしか…」
今後、俺はどうなるのだろう。
そんな不安が日々、積みあがるだけだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます