第3話 フードコート

ネカフェに入って数日。


料金を少しでも抑えるため、俺は最安のナイトパックを利用している。

一日中ネカフェにいると出費が痛い。


朝になるとここは出ていき夜にまた戻る。そんな生活だ。

 

日中、俺は毎日必ず向かう場所があった。


――大型施設のショッピングモール。


目当てはフードコート。

外食が目的ではなく、充電コンセント付きの席が俺の目的である。


平日の昼間なら、空席も多い。

そして、“座っているだけなら金はかからない”。


これが、いまの俺にとって何より重要だった。


フードコートの端にあるコンセント付きのテーブルに座る。

持っているのは、リュックとスマホと、空のペットボトルだけ。


ペットボトルにはフードコートの無料の水を汲んで水分を確保する。

スーパーや自販機で買う余裕はない。


「……今日は見つかるといいな」


ケーブルを差し込み、画面を見つめながら求人を探す。

数時間、求人を開いたり閉じたり、気になる企業を調べたり。

 りでは学生が騒ぎ、老人が新聞を読んでいる。


「今日も成果なしか…」


今後、俺はどうなるのだろう。

そんな不安が日々、積みあがるだけだった。

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