お題48:コンビニのおにぎりを買ったら、中から未来の自分が『やっぱ昆布が正解』と言って出てきた。

「いやいや、やっぱ昆布が正解っしょ!」

「うわっ、なんだこいつ!?」


 コンビニで買ったおにぎりの中から、ちょっと老けた自分の顔が出てきた。俺確か梅干しを買ったはずなんだけど、誰が梅干しみたいな顔だこんにゃろう。


「よう、過去の俺。俺は未来から来たお前だ!」


 ぽかんとするしかない俺。けれどそんな俺に構わずどんどん話を進めていく。


「たまには味変してみるか、って今梅干し買っただろ? ノンノン、お前は結局昆布しか勝たんのよ」

「未来の俺腹立つなおい」


 もう1回握ってやろうかとも思ったのだが、もし仮に未来から自分が来たのだとしたら。何か重要なことを伝えに来たのかもしれない。


「なあ、未来から何を伝えに来たんだ?」

「ん? 今ので終わりだけど」

「帰れさっさと」


 とんでもなくしょうもない情報しか持ってこなかった未来の自分に呆れ果てた。しばらくおにぎりは見たくない。こんなしょうもない大人にならないよう、ちゃんと勉強しておくかな……と妙な決心をした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る