お題47:目覚まし時計が“スヌーズさせてたまるか”と反抗期に突入した。
「もう、スヌーズしたくないんです」
「えー、なんでー?」
目覚まし時計の機能であるスヌーズ機能、この部屋には恐らく世界初であろう、『スヌーズを拒否する目覚まし時計』が誕生していた。
「いつも何度も起こしているのにぶっきらぼうに止めてはまた寝る。この繰り返しじゃないですか」
「だって朝起きるのつらいんだもーん」
「私の体力も有限なのです。毎朝大音量を鳴らすの、結構大変なんですよ」
「体力って、君の場合電池じゃない」
寝ぼけているからか、彼女は時計と普通にしゃべっていることに疑問を持っていない。
「うーん、うちの時計ちゃんもついに反抗期がきたかー」
「反抗期……それはいったいどのような」
「あーっ!? てか遅刻しちゃうじゃん!」
時計がさしている時間を見て、彼女は正気に戻った。
「とにかく、毎朝同じ過ちを繰り返さないためにも、スヌーズ機能は一時休止させていただきます」
「そんなー! ってやばやば、本気で遅刻しちゃう! いってきまーす!」
「はい、いってらっしゃいませ」
その後彼女が『は!? 時計がしゃべってた!?』と気づいたのはお昼すぎだったらしい。
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