お題45:空から降ってきたのはUFOでも隕石でもなく、私の体育教師だった。
「うわぁ~ん! 転校初日から寝坊しちゃうなんてーっ!」
転校生の少女は非常に慌てて全力疾走していた。目的地である学校まであともう少し。
ドゴォーンッ!
唐突な物体の着弾音と、少女の目の前に広がる衝撃派に、思わず足を止めた。
「ええぇっ!? 何なんなのぉ!?」
煙が晴れた後、そこに立っていたのは一人、ジャージ姿の先生らしき男性だった。
「うむ、君は確かうちの転校生だったな!」
「へっ!? あ、はい……」
「しかし、今の君のラップタイムでは始業時間に間に合わん! 体の重心が乱れているぞ!」
「え、えっ?」
体育教師であり、陸上部顧問である彼は、転校生の走りの悪いところを指摘し始めた。
「良し、取り急ぎフォームを修正しつつピッチを上げるぞ! さあついてこい!」
「ちょっ、その前に先生なんで空から――ひゃあああぁぁっ!」
先生に爆速で手を引かれた転校生は、初日から音速に引っ張られるという衝撃体験をしたのであった。そのうえ先生が飛んでいた理由は聞けなかった。
ちなみに始業時間には間に合ったらしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます