お題16:告白しようとしたら、相手が先に「その前にクイズに答えて」と言い出した。

「あの、話というのは櫛田さん。僕と……」

「その前にクイズに答えて」

「えっ」


 高校の校舎裏、一世一代の僕の告白をしようとしたところで、何故かクイズを挟まれた。


「く、クイズ?」

「ええ」


 何で、と聞く前に櫛田さんは先に口を開く。


「……今、私たちの会話に聞き耳を立てているのは何人?」

「なっ!?」


 彼女の発言に驚いて自分の後ろ、校舎影を見ると、僕の背中を押した友人三人が顔を出しているのが見えた。


「やべっ気づかれた!」

「逃げるぞ!」

「おい、頑張れよ!」


 三人はさっさと逃げていった。


「それで、答えは?」

「さ、三人」

「よろしい」


 どうやらクイズに正解できたようだ。けれど、僕の疑問は晴れない。


「けど、どうしてこんなクイズを?」

「これから大事な話をするのだから、外野にはいてほしくなかったの」

「え、それって……」

「ほら、……早く言って?」


 赤く染まった彼女の頬。もしかしてこれ、期待してもいいのだろうか?

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