お題15:異世界に転生したと思ったら、まず最初に渡されたのが自治会の回覧板だった。

「前世において、不慮の事故で死んでしまった安田さん。貴方を異世界へと転生させます」

「おおー」


 現実味が無さ過ぎて頭が追い付いていない俺に、女神は淡々と告げていく。そして目の前には新たな世界が繰り広げられた。


 魔法、魔物、これらが普通に存在する世界で、俺は生きていくらしい。いきなりファンタジーすぎて浮足立ってしまう。


「では、まずはこれを」

「何ですかこれ?」

「自治会の回覧板です」

「え?」


 俺の始まりの村であるカイロ村。その自治会の回覧板を何故か転生して最初に渡された。


「あら、最初のネットワークは何よりも重要ですよ? 伝手が何も無い状態で異世界に放りだされたら、普通はすぐにしんでしまいますからね」


 なんて地に足のついた女神様なんだろうか。浮いてるけど。


「まずは自治会費500ギルを得る所から、貴方の冒険は始まるのです」

「現実みがありすぎるスタートだなぁ……」


 果たしてこんな調子で生きていけるのだろうか……。

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