お題14:飼い猫が突然しゃべり出したが、最初の一言が「家賃、割り勘ね」。
「家賃、割り勘ね」
「ほえ?」
いや、誰だって赤ちゃんの頃から面倒見てきた飼い猫が、急にこんなこと言い出したらこんな声も出ると思うのよ。
「急にどうしたの?」
「そりゃあ僕だってさ、ただのタダ飯ぐらいだと思われちゃ困るわけさ」
「猫ってそういうもんじゃないの……?」
私の負担を減らそうとしてくれてるのかな。気持ちはありがたいけど、あなた猫だよ?
「僕だってやるときはやるんだよ。害虫は絶対家に入れたことないでしょ?」
「あ、そんなことしてくれてたんだありがとう。でもヘソ天しながら言っても説得力無いよ」
愛嬌は据え置きだけど、ちょっとだけ頼もしく見えたり、見えなかったり。
「そもそも、猫に収入なんて無いでしょ」
「最近はね、ニャイミーでバイトしてるんだ」
「初耳すぎるんだけど!?」
飼い主に一言も無いとは何事か。いやそもそも喋るのがおかしいって言われたらそれはそうとしか。
「とにかく、家賃を払えるぐらいには稼いでるから。割り勘でいいよね?」
「あ、うん……」
これ、飼い主より猫の方が稼いでるとか、無いよね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます