第2話
テーブルに料理が置かれた。
「あ、ありがとう……」
僕は促されるがまま、そっと椅子に腰を下ろした。
そして向かい側には、さっきまで罵倒の嵐だった少女。
なぜか満面の笑みで座っている。
にっこにこ。
MVPを二回獲得した後かな……ってくらいキラキラに輝いている。
……いや、怖い。
『さあ褒めろ』と言わんばかりの圧がある。
罵倒されてた時の方が安心できたのはどういうことだ。
香ばしい香りが漂っている。
鶏肉のソテーに、鮮やかなクレソンとにんじんのグラッセ。
この世界の庶民では滅多にお目にかかれない彩りだ。
……値段いくらだろう。
餞別があるとはいえ、あまり高いと払えないんだけど。
「あの……それじゃあ、いただきます」
彼女は目を細める。
ニコニコを超えてニヤニヤしている。
なんでこんなプレッシャーかけてくるの。
僕はナイフを取り、肉を一口大に切り分け、恐る恐る口に運んだ。
咀嚼する。
……うん。
……うん?
「……パサパサだな」
気付いたら声に出ていた。
火が通り過ぎているし、裏側はちょっと焦げていた。
味がない。味付けもしていないのかな?塩さえも振ってないんかい。
クレソンとか人参添える余裕があるなら味付けしてよ。
肉にありつけるだけでもありがたいんだけど。
せっかくならおいしく食べたかった……。
「うっせえ! 分かってるっつーの! じゃあお前がやってみろ!!」
「えぇ……?」
ブチ切れられた。
怒りの沸点が低すぎやしませんか?
女神から一転、鬼の形相へ。
僕は襟首をつかまれて引きずられ、最後にはお尻を蹴られて厨房に放り込まれた。
「ちょ、ちょっと……乱暴はやめてください」
「アンタ名前は?」
「……ツカサと言います」
「何やってる人?」
「えと……一応、冒険者……?」
「はっ! ザコそうね」
「はい……ちょうど今日、パーティからクビを言い渡されました」
「へ……ああ……そうなんだ」
途端に彼女がプイッと顔をそむけた。
……暴言は躊躇なく吐くけど、人の傷口に塩を塗るのは苦手らしい。
もしかすると、そんなに悪い子じゃないのかもしれない。
「私はセラ。あんたが私よりまずいもの作ったら……殺すからね」
「なんで!? どうしてそんな命懸けの競技になってるんですか!?」
絶対におかしい。
単に飯食いに来ただけでどうしてデスゲームみたいなことになってるの?
だがセラは胸を張って言い放った。
「私が『血に飢えた戦姫セラ・アルカディア』だってこと……まさか気付かなかった? 己の無知を悔やむことね」
「な……なんだってー」
…………えっと、何ですか、それ?
気付かないも何も、そもそも知らないです。
急に中二病キャラ出してきたな。
いや、でもホントにすごい子だっらどうしよう。
知らなくてもどうしようもない状況になってるんだけど。
「ほら! 早く! 作れ!」
強制イベント発動。
『逃げる』の選択肢は選べないらしい。
仕方ないね。
それじゃあ、ちょっとだけ "本物" の鶏むね肉のソテーってやつをお見せしてやりますか。
腕が鳴るぜ!
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