第六章
第六章 チビッ子応援団
びゃう……びゃう……
お前本当についてくるの?
出先の私の足にしがみつくのは 雪豹
なぜ?
なぜこーなった?
つーまーりー!
駆逐隊に 入りました私とイケメン ジェイク
「おお!来たか!」
なんだろーね
ジェイクくん
男の人からのうけもよく
「まぁ!ちびすけ!お前もおまけか?」
指さす隊員の指に かぷっと サーバル
「あいて!」
「喧嘩ふっかけない方がいいですよー!この子一応 ファイヤーサーバルなので」
「ミャウ……」
ヴヴ……すこし しっぽを コップ洗いの タワシにして
サーバルが 睨む
「う……お……あ……すまん!」
みゃ……
サーバルが 隊員の 頭に飛びうつった
本来なら攻撃される
殺気立つまわりだが
ゴロゴロにゃー!……
サーバルが 禿げた頭を舐め始めた
「こら!お腹壊すから!サーバルっ」
「おまえらね!」
サーバルを 抱き抱えた隊員は よいしょと 私の 腕にのせる
「敬意ってもんを……」
「なーーーーー?」
ハート×1000ぐらいの くりくり おめめで 見つめるサーバルに 大の男ですら
デレった
「はぁ……」
私はため息
ぐしぐし……
隊員は 私の頭をかいぐる
「おチビちゃん……後方支援よろしくな」
「前線いけますよ?」
「後方な!」
魔法を 弾丸にして放つ 銃を 手入れしながらジェイクが 私を潰す
「こ……この……」
「よ……エリート……」
隊員のひとりが ジェイクを 揶揄う
美形さんだからって
モンスターは 手加減しちゃくれないぞ!
む……!
私がガタンと 立ち上がる
「……!……」
ジェイクが 私を見た
「なんだチビ?」
「ジェイクは 顔だけじゃないんで……そして!私もチビじゃないです!」
ほほう!
なら
氷の弾丸を 自在に操るという雪豹狩りでも いってもらおうか?
「おい……それって……」
他の隊員が 止める
「最前線じゃ……」
ぴくり……
ジェイクの 耳が動いた
「いきましょう……しかし先輩!後悔はなしですよ!いいですね?」
「お……ああ」
が……
ジェイクは 私の腕を引っつかむと
つかつかと 隊室を 出た
ぶんっ!
私が振り払う……
「あんたね……」
「いいだろ?こい!それとも馬鹿にされっぱなしでいいのか?」
「いやだけど!」
みゃうっ!
サーバルがポムっと 火球を 浮かべた
「ほれ……自分もいるってさ」
「あのねー」
仕方なし!こうして 雪山にきたわけだが!
なーんと
育児放棄の雪豹の巣と 遭遇……
そして あろう事か その チビ雪豹に 懐かれて
そんなばかな!
に……なったわけ……しくしく
びゃう……くるる……
「なーラク」
「なによ!」
私が両手に ちび共を 抱えてると
「なーんかいいかんじだぞ?」
「うっさいわね!」
ヨレヨレで歩いていると 強まる吹雪
と びゃーうと 雪豹の声!
ふたりに緊張が走る
あ……凍った湖面に はまった雪豹!
ぽぽい……と ちび共を ジェイクに 預けて
私は走る
お前……
ジェイクが なんか言ってる?
びゃーう……
腰から下が凍りかけてる
サーバル!
みゃーう?
火球で 溶かして
みゃん!
ぽん……ぽん……
しゅうう……
私は雪豹を がっちりホールドした
大人しい……もう元気がないのか?
救われるってわかってるか?
きゃ!
ずり……
私の足元が滑る
がし……
私の腰をがっちり捕まえたのはジェイク……
バカかお前は!体格差を かんがえろ!
みゃみゃ!びゃうびゃう
ちびっ子応援団が 応援する
びゃう……
雪豹が 湖からあがると カタカタと震えている
サーバル
あっためてあげて!
おまえもだろ!
ジェイクが 自分の外套を私に巻いてくれる
「びゃう……」
大きな雪豹は 代わる代わるに 皆の顔を舐めると 尾を立てクイッと上を むいた
くん……
鼻が鳴る……と……風が止み 吹雪いていた雪が 静かになった
そして
雪豹は 私に頭を擦り付けると
永遠に溶けないという 雪の結晶を くれた
「これ……」
「まさか……自在に最大級の氷結魔法を 呼べるって伝説の?実在したのか?」
びゃうびゃう
尾をふる雪豹
「あのね!人を襲わないって約束して?お願いできる?」
びゃう……雪豹は 一声ないて ぺろりと 顔を舐める
了解の 合図らしい
私が見送ると
雪豹は 去っていった
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