第6話

 うわあああ〜、地獄もとい、墓場にほとけぇ!

 迷子ですっ! 家に帰りたいです! 助けて〜とすがりついた。


 ウシオジを乗せた馬の横に並び、ひとまず彼らの家に向かう。

 拍子抜けするぐらい、あっさり公道に出られた。

 携帯嫌いで持っていない私の代わりに、ハルさんの店に電話をかけて、迎えを呼んでくれた。


「ウシオジから電話もらって驚いたよ! 迷子中に拾ってもらえて良かった」


 ちなみに帰りの迎えは、バイトをした食堂に行って、そこから連絡してもらう手筈になっていた。


「ただいま〜」

 ハルさんが厨房からすっ飛んできた。


「ユカちゃん! もう、すごい心配したんだからね! 『お墓で迷子になってる佐野んとこの子を保護した』ってウシオジから連絡受けて、トモくん血相変えて迎えに行ったのよ。

随分と疲れた顔して。ほんと無事でよかった」


 トモくんは母屋にトラックを置きに行ったまま戻ってこず。

 ごろんとお家で横になってるのかも。

 慌てたあと、どっと疲れが出るものだから。


 ハルさんに今日の出来事を私は話し始める。

「あ、そうそう。これ。落ちてたから拾ったの。ハルさんのお土産に良いかな〜って」


 壺をリュックから出した瞬間。


 彼女の顔がどえらい形相に変化した。


「うわあ! ユ、ユカちゃん! あんた何やってんの?! 大変! 急いでトモくん呼ばなきゃ」

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