第4話 隠さなければいけないこと
「君のライセンスはない」
は?どういうことだ?
「どうしてです?」
「勘違いしないでね。君に渡すライセンスはまだないよ」
「まだ?意味が分かりません」
「わかりやすく説明しようか」
近藤さんはそう言った
「一般的なホルダーのステータス値はB~Cだ。たまにAがあればいい方だね。でも、君はすべてのステータス値がSを超えている。そこでだ。君をS級能力者として認定し、困ったときに助けてもらおうってのが上の判断ね。どうする?」
「具体的に何をすればいいんですか?」
「スタンピードを起こしそうなダンジョンの攻略、スタンピードの鎮圧、他国との交流試合、広告塔としての役割、それくらいかな」
「デメリットは?」
「やりたくない仕事は断ればいい。君はそれができる立場にある。そしてもう一つ、君がS級になったことは家族以外に話しちゃいけない。S級は世界にたった3人しかいないからね。あ、あと、これね。」
そう言って3枚のカードを渡された。
近藤さんからもらったライセンスにはA級と書いてある。
「偽装用のライセンスだ。いつもはA級で通してね。黒いのはクレカだね、使える金額の上限はないよ。最後のカードにはホルダーとしての報酬が振り込まれるよ。なくしたら一生タダ働きだからなくさないようにね」
俺は3枚のカードを眺める。
「重ね重ね言うけど、S級であることは家族にしか言っちゃだめだよ。家族に死んでほしくなければね」
「わかりました」
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