第3話 俺のは?

 俺は一番列の小さいところに並んだ。なぜかすぐに俺の順番がまわってきた。


「ここに血を少量垂らしてください」


 え、いたそ…。

 やるけどさ……。


「はい。ありがとうございました。では、掛けてお待ちください」


「終わりじゃないんですか?」


「はい。ステータスの情報を登録するまでお渡しできません。もうしばらくお待ちください」


「わかりました」


 待つしかなさそうなのでソファに腰掛ける。午後まで長引かないといいけどなぁ。スマホに入ってる音ゲーを起動する。最近新曲がでたのでオールパーフェクトを目指している。あと一か月はかかりそうだな……。

 大体一時間経ったときアナウンスが入った


『受付番号49番、63番、72番、75番、80番、97番、119番の以上7名は係員の指示に従って応接間までお願いします』


 俺は……80番だ。つまり応接間とやらまで行かなければならない。

 職員の女性に案内してもらい、応接間についた。どうやら俺が最後みたい。ノックし部屋に入る。そこには6人の男女と一人のおっさんがいた。


「全員そろったね。では改めて、ここの支部長を務めている、近藤竜一だ。よろしく頼むよ。さて、君たちは他よりすこし優れていてね。B級以上にはこうやって挨拶をすることになっている。向こうの部屋へ一人ずつ呼ぶから待っててね」


 また待つのかよ。

 音楽を聴いているとまわりにはだれもいなくなっている。そろそろ俺の番だな。扉が開いた。近藤さんが来た俺も立とうとすると


「座ったままでいいよ」


と言われた。

対面に座った近藤さんが口を開いた。


「単刀直入に言おう。君のライセンスはない」

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