第2話

「いやぁサクッと終わっちゃいましたねぇ…」


このマジックバックなる物は本当に便利だ…何せ傾くとか考えて運ぶ必要がない上に雑に入れても問題ない…俺の世界に持って行けたら配達にかなり役立つからマジで欲しいなこれ…


「とりあえず帰り道にも何か運ばないと勿体無いから何か運びますかねぇ…手頃な依頼はないかなあ」


「あの…お兄ちゃんもしかして冒険者さん?」


「冒険者ではないけど…まあ似たようなもんだけどどうしたん??なんかあったの?」


仕事を探しながら彷徨いていると小学校低学年くらいの子に声をかけられた…ただ冒険者ではないからどう返事をしたもんか悩んだものの特段悩む必要がないことに気づきとりあえず返事をする


「似たようなもん?じゃあ依頼できるって事??お願いがあるんだけど…薬草を取って来欲しいんだけど…誰も受けてくれなくて…」


「薬草…ああ森に生えてる葉っぱかぁ良いよ?散歩に行った時に生えてたから場所もわかるし取ってくるよ」


「本当に!?ありがとうお兄ちゃん!ボク、マロンって言うんだ!お兄ちゃんは?」


「おうよろしくマロン。俺は純だ!よろしくな」


「ありがとうお兄ちゃん!でも…お願いしたいんだけど僕のお小遣いしかないから今は500円しか払えないんだ…」


「ん?葉っぱ取ってくるだけだから別に良いよ?」


俺の配達の仕事は1キロあたり100円なんかザラだし、別に大した仕事じゃないから別に良い…てか日本円が流通してるのは不思議だけどわかりやすくて助かる。ゴールドとか言われても正直ピンとこない


「ありがとう……お兄ちゃんってもしかして凄腕の冒険者さんなの??」


「いや?逃げ足が早いからその辺の魔物に捕まらないから凄腕ってか凄足かも?」


何でも屋もやりながら配達してる分それなりに技術も経験もあるが流石に魔物と戦う経験は今まで無かったから戦闘は全く出来ないが逃げるのは別だノロマな魔物には捕まるつもりはない


「そ…そうなんだ⁇大丈夫ならよろしくお願いします」


依頼を受けることにした俺は街はずれの森に向かった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

配達員の異世界旅 たるとたん @tatsukey

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る