#2

――――帰宅後


「サク・・・今朝ナギをおこしてなかったのね・・・」


・・・鞄を下ろした。


「・・・どうして?」


・・・ネクタイに手を伸ばす。


「なにかあったの・・・?」


かけた手が止まった・・・。


「・・・どんなことでもいいから、はなして・・・。」


「なんでもないよ。・・・ほんとに」

・・・私はリビングを後にした。



―――― 照らされた食器、薄暗いダイニング・・・


「・・・あのさ、おにいちゃん」


・・・私は箸を止めた


「・・・。いそいでたんだよね・・・。きょうは」


「・・・。」

唇をかみしめる。


「・・・ううん。 私こそ、甘えすぎてたからさ・・・。」

「だから・・・きにしないで」


・・・ナギは視線を落としていた。

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