#10

――――半月後


「・・・ぃちゃん・・・やっと起きたの」


「・・・あぁ。」

・・・私はソファから体を起こした。


「ただいまー・・・。

 あ、サク、ナギ・・・アイス買ってきたけど、食べる?」


「・・・食べる。ちなみに・・・」


ナギは少し俯き気味にアイスを受け取った。



「・・・ぇ、ねぇ、おにいちゃん。聞いてる?」


「・・・あぁ、ごめん。」

私はアイスを受け取った。


(・・・。)


「・・・ナギ、明日なんだけどさ――――」


・・・アイスをほおばるナギが映る。


「――――一緒にいてくれないか・・・。」


・・・そしてアイスを飲み込んだ。


「え、・・・。

 ごめんおにいちゃん、明日は――――」


「たのむ」


・・・ナギは無言で私を見つめた。


「――――・・・。

 友達に悪いしさ。・・・ごめん。」


・・・ナギは視線を落とした。


「・・・頼む

 あした、明日だけは・・・どこにも行かないでほしい」


私はナギに詰め寄っていた・・・。


「・・・わからないよ。お兄ちゃん・・・。」


「・・・」

・・・セミの音だけが部屋に鳴り響いた。

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