#3

――――ニ年後

「・・・ナギ、いい加減目を覚ませ。」


「しつこい・・・。」

・・・妹と学校へ通っている。


「もう中学生だろ・・・。」


「・・・なにそれ。」

尻目越しに不満気な顔が映る。・・・やはり視線は合わない。


「・・・。」


そして歩みを進めていく・・・。ため息気味になりながら。



――――登校後

妹と別れ教室に入る。・・・相変わらず賑やかだ。


「おっ、サク。元気してたー?」


「元気そうに見えるかー・・・。」


「見える。」

半笑いを浮かべる友人。・・・私は視線を逸らしていた。


「あ、そいやサク。ナギちゃんめっちゃ可愛いじゃん。」


「・・・え、あー・・・そう」

(・・・見えるよな。)


「なんだよー。何か不満でもあんのかよー。」

半笑いが横目越しに映る。・・・確かに不満はある。でも――――


「・・・お前の妹とそう変わらん。」


「え、・・・あー・・・そうなのか。」


・・・友人の視線が少し落ちていた。


――――放課後

友人と別れを済ませ、下駄箱へと向かう。


(そういえば前にもあの話をしたような・・・。)


靴箱に上履きを戻す。・・・いつだっただろうか。


(確かあの時は・・・――――)


・・・靴にかけた手が止まる。


(――――・・・。)


「帰るか・・・。」


・・・私は下駄箱を後にした。



――――帰宅後

リビングに入り、自室へと向かう・・・


(・・・まぁそうだよな。)

ソファを横目にして・・・。


「・・・。」


椅子に腰掛ける。・・・そして――――


「やっぱり・・・一度話し合うしかないか・・・」


・・・深く座り込んだ。

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