#6

――――翌日

・・・昼前のリビングに雨音が響く。・・・妹の姿はない。


(部屋で寝てるのか・・・?)


「・・・かあさん、ナギって・・・――――」


「あ、えーとね・・・。友達とでかけるって言ってたわよ・・・。A市に」


「――――・・・え。あー・・・そういうこともあるか・・・。」


・・・ソファに腰を下ろす。・・・雨音を気にしながら。


「・・・でも、あの子間に合ったのかしら・・・。」


・・・雨音が消える。・・・そして、いつかに似た感情がこみ上げる。


(・・・いや、そんな・・・そんなはずは・・・)


私はソファに体を預けることしかできなかった。


(・・・。)


・・・忘れていた。・・・この日の脱線事故のことを。

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