リスタート

#1

――――十三年後

イージーモードの小学生時代が終わり、気づけば中学生になっていた。ただ――――


「・・・どうしたの?変な顔して。」


妹がいる・・・。前は兄弟すらいなかったのに。

「・・・なんでもない。体力測定の結果が思ったより良くなくてへこんでいるだけだ。」


「ふーん・・・。」


妹は部屋へと戻っていった・・・。何を考えているのか全く分からない――――


(ナギなりの気遣いか・・・。来年中学生になるわけだし・・・。)


・・・自室へと向かう。少し伏目気味になりながら・・・。


――――翌朝

身支度を済ませ、リビングへと向かう。


「あら、サク・・・おはよう・・・」


朝食を作る母・・・。そして座って待っている妹。

「おはよう。・・・あとナギも・・・。」


「・・・おはよう。」


・・・眠そうにしている。いつものように髪も寝起きのままだ。


「はい、ナギ、サク・・・朝食できたわよ・・・」


・・・何気ない朝食。この当たり前にどれほど救われたことか――――

「ありがとう、・・・いただきます。」


「・・・いただきます・・・」


差し込む朝日。そして静かな時間だけが流れていく・・・。



――――住宅街、スズメの鳴き声・・・そして隣で歩く妹

母に挨拶を告げ、学校へと向かう。・・・妹はやはりまだ眠そうだ。


「ナギ・・・前をみないと危ないぞ。」


妹は無言のまま顔を向け、不満げにしている。・・・いつものことだ。


足音が流れる・・・そして、分かれ道に差し掛かる。

「・・・気を付けて行けよ、ナギ。」


「はいはい・・・。」

妹はそれだけ言い残し、小学校へと向かった。・・・かすかの哀愁を残して。



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