§ 付録:サイコトルーパーズ U-18戦術教本
まえがき
サイコトルーパーズの戦場において、勝利の女神は、個人の武勇のみに微笑むものではない。
銃弾が飛び交い、白刃が閃き、そして目に見えぬESPが精神を揺さぶる混沌の戦場。
ここでは、一人の英雄が戦局を覆すことは稀である。
勝敗を分かつのは、個々の能力を、ひとつの揺るぎない意志へと統合する『戦術』に他ならない。
本書は、若きサイコトルーパーたちが、単なる戦闘員から真の戦術家へと進化するための第一歩である。
ここに記されているのは、奇をてらった秘策ではない。
攻守のバランスに優れた布陣、連携を極めるための二人一組での運用、一点突破を図るための突撃、そして敵の攻撃を逆手に取るための迎撃戦術。
これらはすべて、幾多の戦場で試され、磨き上げられてきた『定石』――いわば部隊連携の共通言語である。
この教本を手に取った君たちは、個として戦う時代の終わりを告げる新世代の兵士である。
まずは定石となる基本的戦術を学び、その意味を理解し、チームで共有せよ。
そしていつの日か、それを超える新たな戦術を、自らの手で生み出すことを我々は期待している。
戦術なき力は、ただの暴力にすぎない。
さあ、勝利への設計図を、その頭脳に描き始めよう!
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◎バランス型作戦プラン 1:『1-2-1 スプリット・コントロール』
1. 作戦概念
1-1. 概要
本戦術は、チームを「中央部隊(2名)」と「両翼部隊(各1名)」の計3ユニットに分割して展開する、最も基本的な陣形である。
中央部隊がミューニションの確保と敵主力の牽制という主要目標を担当し、両翼部隊がそれぞれ左右のエリアを確保、側面攻撃や敵の侵攻を警戒する 。
この配置により、フィールド全体に影響を及ぼし、攻守のバランスを取りながら戦況をコントロールすることを目的とする。
1-2. 戦術的優位性
戦線維持能力:フィールドを幅広く使用するため、敵は侵攻ルートを限定され、不用意な突出が困難になる。
柔軟性:敵の主力が左右どちらかに偏った場合でも、逆サイドの翼部隊が遊撃部隊となり、側面を突く、あるいは中央部隊に合流するなど、柔軟な対応が可能となる。
情報収集能力:各ユニットが広範囲に展開することで、敵の配置や動きを早期に察知しやすくなる。
2. 推奨されるチーム構成と役割
本戦術は、近接戦闘員2名、銃火器戦闘員2名というバランスの取れたチーム構成で最大の効果を発揮する。
役割:コマンダー
適性:戦場全体を俯瞰し、リアルタイムで的確な指示を送れるプレーヤー。
任務:後方の銃火器担当(ライフルマン)が兼任することが望ましい。
コマンダー専用の広域索敵機能「C4Iリンク」 を最大限に活用し、各ユニットに敵の位置情報と行動指示を常に伝達する。
役割別推奨ビルド(サンプル)
中央部隊① - 主攻アタッカー(近接):
役割:敵陣を切り崩すための主要戦力。敵のキープレーヤーの排除を狙う。
推奨武器:打刀(ランクC / AP68)、ロングソード(ランクC / AP58) など、攻撃力と取り回しのバランスが良い武器。
中央部隊② - 援護アタッカー(近接):
役割:主攻アタッカーの護衛と、複数の敵の足止め(ゾーニング)。
推奨武器:ロングスタッフ(ランクD / AP30)、槍(ランクD / AP42) など、リーチが長く、牽制能力に優れた武器。
翼部隊① - ライフルマン(銃火器 / コマンダー兼任を推奨):
役割:中距離からの安定した射撃で中央部隊を援護し、敵の行動を制限する。
推奨武器:H&K HK416(ランクA / AP79)、SIG SG 550(ランクB / AP73) など、命中精度と信頼性の高いアサルトライフル。
翼部隊② - フランクガード(銃火器):
役割:逆サイドの側面(フランク)を警戒し、裏取りに来る敵を迎撃する。
推奨武器:H&K MP5A3(ランクA / AP84) のようなSMG(近距離での迎撃を想定)、または汎用性の高いアサルトライフル。
3. フェイズ別行動計画
3-1. デプロイメント・フェイズ(90秒)
両翼部隊(銃火器担当):それぞれ左右の、射線が確保できる有利な遮蔽物や建物へ移動する。
中央部隊(近接担当):フィールド中央の遮蔽物を利用し、ミューニションライン手前まで前進。敵と即座に交戦するのではなく、有利な位置を確保することを優先する。
ESP連携:コマンダーは「C4Iリンク」と各ユニットからの報告を基に、敵の初期配置を把握し、全軍に共有する 。
3-2. コンバット・フェイズ(23分30秒)
序盤 - 状況把握と牽制:
アクティベートされたミューニションの位置を確認 。
翼のライフルマンが遠距離から牽制射撃を行い、敵の動きを探る。この段階で無理にキルを狙う必要はない。
中央部隊は、敵の構成と戦術を見極めるまで、遮蔽物を利用して慎重に立ち回る。
中盤 - 起点作り:
戦術的成功パターン①:敵が中央の圧力や片翼からの牽制を嫌い、もう一方の翼から側面攻撃を仕掛けてくる。これを待ち構えていたフランクガードが迎撃し、数的有利な状況を作り出す。
戦術的成功パターン②:翼からの援護射撃により敵の注意がそれた隙を突き、中央の援護アタッカーが敵の動きを封じる。その隙に主攻アタッカーが突撃し、敵のコマンダーや厄介な武器を持つプレーヤーを排除する。
終盤 - 目標達成と再配置:
数的有利、あるいは戦術的優位を確保した時点で、全軍でミューニションの確保に移行する。
ミューニション運搬時は、隊列を組み、翼部隊が後方と側面を警戒しながら自陣へ後退する。
一つのミューニションを確保した後は、再び「1-2-1」の陣形に再配置し、次の攻防に備える。
4. 潜在的リスクと対策
リスク①:翼の孤立と撃破
原因:敵が2名以上で片翼に集中攻撃を仕掛けてきた場合、単独の翼部隊は孤立し、撃破される危険性が高い。
対策:翼部隊は無理に交戦せず、後退して時間を稼ぐ。その間に、コマンダーの指示で逆サイドの翼部隊と中央部隊が挟撃するか、手薄になった敵のエリアを攻める。
リスク②:中央部隊の早期敗退
原因:敵が4名全員で中央に電撃的なラッシュ(突撃)を仕掛けてきた場合、中央部隊が耐えきれずに突破される可能性がある。
対策:中央部隊は即座に後退。両翼部隊は敵の側面を突き、十字砲火を形成して敵の進軍を阻止・消耗させる。ラッシュ戦術は成功すれば強力だが、側面が無防備になるという弱点を突く。
リスク③:連携の分断
原因:ESPによる通信妨害や、地形によって射線とESP通信が遮断され、各ユニットが孤立する。
対策:定期的に各ユニットは相互にカバーできる位置まで移動し、完全に孤立する状況を避ける。コマンダーは常に各ユニットの状況を把握し、分断されたユニットが出ないように指示を出し続ける必要がある。
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◎バランス型作戦プラン 2:『ツー・セル・フォーメーション』
1. 作戦概念
1-1. 概要
本戦術は、チームを2名ずつの独立した戦闘ユニット(セル)2つに分割して行動する、連携重視の基本陣形である。
「バディシステム」とも呼ばれ、いかなる状況でも単独で行動するプレーヤーを作らないことで、チーム全体の生存性を高め、安定した戦闘を継続することを目的とする。
1-2. 戦術的優位性
相互支援の容易さ:常に味方が隣にいるため、一方が攻撃を受ければ即座にもう一方がカバーに入ることができる。
前述の「1-2-1 スプリット・コントロール」戦術における単独の翼が孤立・撃破されるリスクを大幅に軽減する。
火力の集中:2名分の火力を常に一つの目標に集中できるため、敵を確実に、かつ迅速に排除する能力が高い。
戦術的柔軟性:
スプリット(分割):2つのセルが左右に分かれて進軍し、2つのミューニションに同時にプレッシャーをかけることができる。
コンバイン(合流):必要に応じて2つのセルが合流し、4人一体の部隊として行動することも容易である。
2. 推奨されるチーム構成と役割
各セルが自己完結した戦闘能力を持つことが望ましい。
理想的なのは、近接戦闘員1名と銃火器戦闘員1名を組み合わせたペアを2つ作ることである。
役割:コマンダー
適性:連携の要となれるプレーヤー。
任務:片方のセルの銃火器担当が兼任することが望ましい。自身のセルを指揮しつつ、C4Iリンクで得た情報と、もう一方のセルからの報告を基に、チーム全体の進軍ルートや攻撃目標を決定する。
役割別推奨ビルド(サンプル)
セルA(攻撃担当)
近接アタッカー × 1:積極的に前に出て敵を攻撃する。
銃火器援護 × 1:アタッカーを中距離から援護し、射線を確保する。
セルB(遊撃・支援担当)
近接アタッカー × 1:セルAとは別のルートを進み、敵の側面や背後を狙う。
銃火器援護(コマンダー)× 1:戦況全体を見渡し、セルAへの支援や、敵の裏取りへの警戒を行う。
3. フェイズ別行動計画
3-1. デプロイメント・フェイズ(90秒)
左右への展開:セルAはフィールドの左翼側へ、セルBは右翼側へ、それぞれペアで固まって移動する。
情報共有:両セルは、それぞれの担当エリアで視認した敵の情報をESPで共有し、敵の全体的な配置を把握する。
3-2. コンバット・フェイズ(23分30秒)
序盤 - 同時進軍:
両セルは、互いに距離を保ちながら、同程度の速度で前進を開始する。
敵と遭遇した場合、セル単位で交戦し、2対1または2対2の有利な状況を作り出して各個撃破を狙う。
中盤 - 目標へのアプローチ:
アクティベートされたミューニションの位置に基づき、各セルが担当する目標を決定する。
戦術的成功パターン①(同時攻撃):両セルが、それぞれ最も近いミューニションに同時に攻撃を仕掛ける。敵は両方に対応せざるを得なくなり、戦力が分散する。
戦術的成功パターン②(陽動と主攻):片方のセル(例:セルB)が派手に銃撃戦を行い、敵の注意を引きつける「陽動」となる。その隙に、もう一方のセル(セルA)が静かにミューニションを確保し、離脱する。
終盤 - 合流と護衛:
ミューニションを確保したセルは、もう一方のセルに援護を要請。
可能であれば4人で合流し、運搬役を中央に置いた菱形の陣形を組んで、安全に自陣へ帰投する。
4. 潜在的リスクと対策
リスク①:敵の集中攻撃への対応
原因:敵が4人全員で片方のセルに集中攻撃を仕掛けてきた場合、2対4という圧倒的に不利な状況に陥る。
対策:攻撃を受けたセルは、即座に交戦を避けて後退し、時間を稼ぐことに専念する。その間に、もう一方のセルが敵の側面または背後へ高速で回り込み、挟撃を仕掛ける。集中攻撃に適した陣形を取る敵は側面が無防備になっているため、これは非常に有効なカウンターとなる。
リスク②:戦力の分散
原因:2つのセルがそれぞれ別の場所で戦闘に夢中になり、互いの状況を把握できず、連携が途切れてしまう。
対策:コマンダーは常に両セルの状況を把握し、ESPによる定期的な状況報告を徹底させる。どちらかのセルが危機に陥った場合は、もう一方のセルに即座に援護を命じるなど、常にチーム全体として行動している意識を保つことが重要。
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◎攻撃重視型作戦プラン 1:『ブリッツクリーク』
1. 作戦概念
1-1. 概要
本戦術は、ドイツ語の「電撃戦」に由来し、その名の通り、チームの全戦力をフィールドの一点に集中させ、試合開始と同時に敵陣の特定エリアへ向かって電撃的な突撃を敢行するものである。
防御をほぼ完全に捨て、圧倒的な速度と火力による一点突破で敵の陣形を崩壊させ、数的有利を早期に確立することを唯一の目的とする。
1-2. 戦術的優位性
数的優位の強制創出:敵がバランス型の「1-2-1 スプリット・コントロール」戦術に基づいて展開している場合、こちらの突撃地点では「4 vs 1」あるいは「4 vs 2」という圧倒的な数的有利が生まれ、各個撃破が容易になる。
主導権の掌握:試合開始直後から能動的に仕掛けることで、敵に対応を強制させ、戦いの主導権を握ることができる。
心理的効果:予期せぬ速度と規模の攻撃は敵に混乱と焦りを生じさせ、的確な判断を奪う効果が期待できる。
2. 推奨されるチーム構成と役割
本戦術の成功は、突撃部隊の制圧力に依存するため、近距離での戦闘能力が高い武器選択が鍵となる。
役割:コマンダー
適性:迅速な判断力と、部隊を鼓舞する統率力を持つプレーヤー。
任務:突撃部隊の中核(アサルト役)を担い、前線で直接指揮を執る。C4Iリンクで得た敵の反応を即座に判断し、突撃の継続、目標の変更、一時後退などを指示する。
役割別推奨ビルド(サンプル)
ポイントマン × 2:
役割:突撃の先鋒として道を切り開く。敵とのファーストコンタクトを担う。
推奨武器:KRISS Vector(ランクS / AP88)、B&T APC9 PRO(ランクA / AP87)などの高レートSMG。または、Benelli M4(ランクA / AP85) のような連射可能なショットガン。近距離での瞬間的な制圧力を最優先する。
推奨装備:M84 Stun Grenade(閃光手榴弾 / AP20)。突入の起点を作るために必須。
アサルト(コマンダー兼任を推奨)× 1:
役割:ポイントマンに続き、中距離の敵を制圧し、火力を提供する。
推奨武器:H&K HK416(ランクA / AP79)、SIG MCX SPEAR(ランクS / AP90) など、汎用性と火力を両立したアサルトライフル。
推奨装備:M67(破片手榴弾 / AP22)。遮蔽物に隠れた敵を排除するために使用。
サポート × 1:
役割:突撃部隊の最後尾に位置し、後方や別角度からの敵の奇襲を警戒しつつ、火力支援を行う。
推奨武器:FN SCAR-H(ランクA / AP83) のような高威力のバトルライフル。一点突破が停滞した際に、状況を打開する一撃が期待される。
3. フェイズ別行動計画
3-1. デプロイメント・フェイズ(90秒)
全軍統一行動:4人全員がフィールドの右翼または左翼のどちらか一方の端に固まって移動する。敵に意図を悟られないよう、最も遮蔽物が多く、敵から視認されにくいルートを選択する。
目標設定:コマンダーは敵の初期配置を予測し、最も手薄と思われる突撃ポイント(通常は敵の翼端)を最終決定し、全軍に伝達する。
3-2. コンバット・フェイズ(23分30秒)
序盤 - 電撃的飽和攻撃(0秒〜90秒):
デプロイメント・フェイズ終了の合図と同時に、指定された目標エリアへ全速力で突撃を開始する。
起点:目標エリアに到達直前、ポイントマンが閃光手榴弾を投げ込み、敵の機能を無力化する。
突入:閃光の炸裂と同時にポイントマンが突入。SMGやショットガンでエリア内の敵を制圧する。
制圧:後続のアサルト、サポート役も突入し、十字砲火を形成。フォーカスファイアを徹底し、エリア内の敵を確実、かつ迅速にフィールドアウトさせる。
中盤 - 陣形再編と転進:
側面を完全に制圧した後、敵の中央部隊や逆サイドの部隊が対応に駆けつけてくる。
選択肢A(迎撃):制圧した有利な地形で、敵の来訪を待ち伏せ、迎撃する。
選択肢B(転進):敵が対応に来る前に、そのままの勢いで敵陣深くへ侵攻し、ミューニションの確保に向かう。
終盤 - 目標確保と離脱:
敵の陣形を崩壊させ、数的有利を確立した後、アクティベートされたミューニションを確保する。
この戦術は防御が脆弱なため、確保後は戦闘を継続せず、一人が運搬、三人が護衛する隊形で、最短ルートで自陣確保ポイントへ離脱する。
4. 潜在的リスクと対策
リスク①:突撃の看破とカウンター
原因:敵チームにこちらの戦術を読まれ、突撃ルート上に複数のプレーヤーによる待ち伏せや、グレネードによるトラップを仕掛けられている場合。
対策:デプロイメント中に敵が一か所に固まっている等、動きが不自然な場合、コマンダーは本戦術を中止し、即座にバランス型戦術などのプランBに方針変更する決断力が必要。
リスク②:突撃の停滞と消耗戦化
原因:敵の抵抗が予想以上に激しく、先頭のポイントマンが倒され、突撃の勢いが失われる。狭い通路などで足止めされ、消耗戦に持ち込まれる。
対策:無理な前進は絶対に避ける。M34 White Phosphorus(白リン発煙手榴弾 / AP25) などで敵の視線を遮り、即座に後退して体勢を立て直す。攻撃目標を別の角度に再設定し、再度仕掛ける。一つの失敗に固執しないことが重要。
リスク③:息切れと逆転負け
原因:序盤の突撃で多くの弾薬や装備を消費し、成功しなかった場合、中盤以降の戦闘継続が困難になる。装備と人員の消耗で、逆に敵に主導権を握られ、逆転される。
対策:本戦術は短期決戦を前提とするハイリスク・ハイリターンな作戦であると全部隊が理解すること。失敗した場合は、無理に攻撃を継続せず、残存戦力で遅滞戦闘を行い、被害を最小限に抑える判断も必要となる。
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◎攻撃重視型作戦プラン 2:『トライアングル・ラッシュ』
1. 作戦概念
1-1. 概要
本戦術は、チームを「アローヘッド(槍の穂先)」となる先鋒1名と、その後方に続くウィング2名、そして最後尾のアンカー1名(司令塔を兼ねる)という、攻撃的な三角形の陣形で構成する。
デプロイメント・フェイズ終了と同時に、この陣形を維持したまま敵陣の一点へ向かって突撃し、敵の防御陣をこじ開け、数的有利を早期に確立することを目的とする。
1-2. 戦術的優位性
突破力の最大化:「点」で突撃する先鋒と、その直後に「面」で制圧する両翼という役割分担により、敵の防御ラインを効率的に突破する能力に優れる。
主導権の掌握:試合開始直後から能動的に仕掛けることで、敵に対応を強制させ、戦いの主導権を握ることができる。
柔軟な目標変更:突撃の過程で敵の抵抗が激しい場合でも、両翼のどちらかが別方向へ展開することで、敵の防御を揺さぶり、新たな突破口を作り出すことが可能。
2. 推奨されるチーム構成と役割
突撃の成功は、先鋒の突破力と両翼の制圧力に依存するため、近距離での戦闘能力が高い武器選択が鍵となる。
役割:コマンダー
適性:迅速な判断力と、部隊を鼓舞する統率力を持つプレーヤー。
任務:陣形の最後尾に位置するアンカー役が兼任することが望ましい。C4Iリンクで得た敵の反応を即座に判断し、突撃の継続、目標の変更、一時後退などを指示する。
役割別推奨ビルド(サンプル)
アローヘッド(先鋒)× 1:
役割:突撃の最先端で敵の防御ラインに穴を開ける。敵の注意を一身に引きつける覚悟が必要。
推奨武器:Benelli M4(ランクA / AP85)などの連射可能なショットガン。またはツヴァイヘンダー(ランクA / AP83)のような広範囲を薙ぎ払える近接武器。
推奨装備:M84 Stun Grenade(閃光手榴弾 / AP20)。突入の起点を作る。
ウイング(両翼)× 2:
役割:先鋒が作った突破口を押し広げ、エリアを制圧する。
推奨武器:KRISS Vector(ランクS / AP88)、H&K MP5A3(ランクA / AP84)などのSMG。近距離での高い制圧力を重視する。
アンカー(司令塔 / コマンダー)× 1:
役割:突撃部隊の最後尾から全体を指揮し、中距離からの火力支援と後方の警戒を行う。
推奨武器:H&K HK416(ランクA / AP79)などの汎用性の高いアサルトライフル。
3. フェイズ別行動計画
3-1. デプロイメント・フェイズ(90秒)
陣形構築:4人全員がフィールドの中央、あるいは少し左右どちらかに寄った位置に固まって移動する。敵に突撃の方向を悟らせないように注意する。
目標設定:コマンダーは敵の初期配置を予測し、最も手薄と思われる突撃ポイントを最終決定し、全軍に伝達する。
3-2. コンバット・フェイズ(23分30秒)
序盤 - 突撃開始(0秒〜60秒):
デプロイメント・フェイズ終了の合図と同時に、指定された目標エリアへ「トライアングル」陣形を維持したまま突撃を開始する。
起点:目標エリアに到達直前、アローヘッドが閃光手榴弾を投げ込み、敵の機能を無力化する。
突入:閃光の炸裂と同時にアローヘッドが突入し、敵の防御ラインをこじ開ける。
制圧:後続の両翼が左右に展開し、アローヘッドが作った突破口からなだれ込み、SMGの弾幕でエリア内の敵を制圧する。
中盤 - 陣形再編と掃討:
敵の防御ラインを突破した後、アンカー(コマンダー)の指示で陣形を再編。
選択肢A(掃討):そのままの勢いで敵陣深くへ侵攻し、残存する敵を掃討して全滅を狙う。
選択肢B(目標確保):敵が混乱している隙に、最も近くにあるアクティベートされたミューニションを確保し、速やかに離脱する。
終盤 - 優位の確定:
敵チームを全滅させるか、あるいはミューニション確保と敵兵数名の排除によって大きなポイントリードを奪い、勝利を確定させる。
この戦術は消耗が激しいため、一度優位を確立した後は、無理な戦闘を避けて時間を使い、逃げ切ることも視野に入れる。
4. 潜在的リスクと対策
リスク①:突撃の頓挫と包囲
原因:敵の防御が固く、アローヘッドが突破に失敗し、足止めされる。その間に敵の別部隊に回り込まれ、トライアングル陣形が逆に包囲される。
対策:突撃の勢いが少しでも削がれたとコマンダーが判断した場合、即座にアンカーと両翼が援護射撃を行い、アローヘッドを安全に後退させる。M76 IR-Screening Smoke(赤外線遮断発煙手榴弾 / AP30)などで敵の視線を遮り、体勢を立て直す。
リスク②:カウンターによるアンカーの撃破
原因:敵に優秀なスナイパーや側面攻撃部隊がおり、突撃に集中している味方の背後から、司令塔であるアンカーが狙撃・撃破される。
対策:アンカーは常に自身の安全を最優先し、遮蔽物から遮蔽物へ移動することを徹底する。また、両翼は前方の制圧だけでなく、常に側方や後方への警戒を怠らない意識が必要。
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◎防御重視型作戦プラン 1:『エリアロック・カウンター』
1. 作戦概念
1-1. 概要
本戦術は、自陣営側の特定の強固な防御地点(ハードポイント)に戦力を集中させ、そのエリアを完全に封鎖(ロック)することから始まる。
能動的な攻撃は極力控え、敵の侵攻を有利な地形で待ち構えて迎撃・消耗させる。
敵の攻撃が頓挫し、陣形が崩れた、あるいは人数が減少した好機にのみ、最小限の戦力でカウンター攻撃に転じ、ポイントを獲得することを目的とする。
究極の「後手」に徹した、ハイコントロール・ローリスク戦術である。
1-2. 戦術的優位性
戦闘効率の最大化:予め構築した有利な陣地で戦うため、敵の攻撃を効率的に迎撃でき、味方の損害を最小限に抑えることができる。
リスク管理:無理な攻撃を仕掛けないため、不必要な消耗やカウンターを受けるリスクが低い。試合全体を安定してコントロールできる。
心理的消耗の誘発:攻めあぐねた敵は焦り、無謀な突撃やミスを犯しやすくなる。敵の焦りを誘い、自滅を促す効果がある。
2. 推奨されるチーム構成と役割
長距離での戦闘と、陣地防衛能力が重要となるため、スナイパーと継戦能力の高いライフルマンが中核を担う。
役割:コマンダー
適性:忍耐力と冷静な分析力を持つプレーヤー。戦況を大局的に捉え、カウンターに転じる最適なタイミングを見極める能力が求められる。
任務:部隊の後方(マークスマン役推奨)に位置し、C4Iリンクとスナイパーからの情報を基に、敵の動きを分析し、防衛線を指揮する。
役割別推奨ビルド(サンプル)
アンカー(固定砲台)× 1:
役割:防衛線の後方、最も安全で見晴らしの良い位置から敵を狙撃し、行動を制限する。敵の位置情報を収集し、コマンダーに報告する最重要の偵察役でもある。
推奨武器:Accuracy International AWM(ランクS / AP96)、オーシス T-5000(ランクA / AP92)など、一撃の威力が高いボルトアクションライフル。
ピラー(防衛線の支柱)× 2:
役割:防衛線の最前線に位置し、敵の突撃を食い止める壁となる。アンカーが安全に狙撃できる状況を作り出す。
推奨武器:SIG SG 550(ランクB / AP73)、H&K G36(ランクB / AP67)など、継戦能力と信頼性に優れたアサルトライフル。
推奨装備:メディキット(ランクD / AP8)は必須。LPの維持が本戦術の生命線となる。
フルクラム(支点・司令塔 / コマンダー)× 1:
役割:アンカーとピラーの中間に位置し、戦況に応じて両者を支援する。カウンター時にはピラー1名と共に前に出る攻撃の起点となる。
推奨武器:KAC M110 SASS(ランクA / AP85)など、連射が効き、複数の敵に対応しやすいマークスマンライフル。
3. フェイズ別行動計画
3-1. デプロイメント・フェイズ(90秒)
陣地構築:中央へは進出せず、自陣営側にある最も防御に適した建物や高台へ全軍で移動する。複数の射線が確保でき、かつ身を隠す遮蔽物が多い場所が理想。
布陣:アンカーが最高の狙撃ポイントを確保。ピラーは、アンカーの射線を塞がず、かつ相互にカバーしあえる位置に布陣する。フルクラムは両者の中間に位置し、戦場全体を見渡せる場所を確保する。
3-2. コンバット・フェイズ(23分30秒)
序盤 - 待機と索敵:
陣地から動かず、「後手」に徹する。敵が先に動くのを待つ。
アンカーが一方的に攻撃できる距離から敵を索敵し、位置情報をコマンダーに共有。不用意に接近、あるいは開けた場所に出た敵がいれば狙撃し、プレッシャーを与える。
中盤 - 迎撃と消耗:
業を煮やした敵が、こちらの防御陣地へ攻撃を仕掛けてくる。
迎撃態勢:ピラーが最前線で敵の突撃を受け止め、足止めする。後方のアンカーとフルクラムが、その敵に対して十字砲火を浴びせ、確実に消耗させる。
ミューニションへの対応:敵がミューニションの確保に動いた場合、アンカーは運搬役を最優先で狙撃し、妨害する。確保させること自体が目的ではなく、敵を遮蔽物のない場所に誘い出し、撃破する機会と捉える。
終盤 - カウンター攻撃:
敵が攻撃によって消耗し、人数が減った、あるいは弾薬や装備を使い果たしたと判断したタイミングで、フルクラム(コマンダー)はカウンターへの移行を指示する。
フルクラムとピラー1名が前に出て、最も近くにあるアクティベートされたミューニションを確保する。
アンカーと残りのピラーは、その後退ルートを援護射撃で確保する。
目標:ミューニション1つの確保と敵兵数名のフィールドアウトによるポイント優位を確立し、試合終了までそのリードを守り切る。
4. 潜在的リスクと対策
リスク①:陣地の無力化
原因:敵にM32 MGL(グレネードランチャー / AP88)やRPG-7(ロケットランチャー / AP65)のような範囲攻撃武器があり、陣地に集中砲火を浴びて崩壊する。あるいは、敵の優秀なスナイパーによってこちらのアンカーが無力化される。
対策:予め第2、第3の予備陣地を想定しておく。現在の陣地が危険に晒された場合、M18 Colored Smoke(発煙手榴弾 / AP10)などで敵の視線を遮り、速やかに後退、再展開する。一つの陣地に固執しない柔軟性が重要。
リスク②:ポイント差による敗北
原因:防御に徹しすぎた結果、敵にミューニションを確保され、カウンターの機会も逸してしまう。気づいた時には時間切れでポイント負けが確定している。
対策:コマンダーは常に試合の残り時間と戦術ポイントの状況を把握し、リードされている場合は、リスクを取ってでもカウンターに転じる決断を下す必要がある。守るだけでは勝てない状況の見極めが不可欠。
リスク③:サドンデス負け
原因:アクティベートされた2つのミューニションが、両方とも敵陣営に近い位置に出現。敵が戦闘を避け、ミューニション確保に専念した場合、防衛ラインからでは妨害が間に合わず、サドンデス負けを喫する。
対策:ミューニションの位置によっては、防衛ラインを前進させる必要がある。コマンダーは状況に応じて、より前方のエリアに新たな防衛陣地を構築するよう指示し、敵の確保ルートを遮断しなければならない。
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