第2話 〜高校生〜

ピピピピピーーピピピピピーー

アラームが鳴っている。

ピピピピピーーピピピピピーーピピピピピーー

さすがにうるさくなってきた。止めるか。

岸雄介 16歳 高校1年生 所属部活動 なし 趣味 寝ること

自分でもこのプロフィールはどうかと思う。もっと熱中することを見つけた方がいいとも思う。だが、同時に仕方がないとも思っている。ほんとうにやりたいことが存在しないのだ。

アラームを止め、足元をふらつかせながら一階へ下りる。そしてそのまま壁にかかっている時計へと目をやると、時計はいつもより20分遅れた時間を指していた。

この野郎なんで起こしてくれなかったんだ そう心の中で母親に思いつつ、急いでスティックパンを口の中に放り込む。朝飯の時間を短縮して、全速力でチャリを漕げば、まだ間に合うはずだ。だが内心、遅刻しても構わないと思っていた。学校でお腹を空かせたくないし、なにより朝から体力を浪費したくない。そんな物思いにふけっていると、母から

「ボーッっとしてないで。時間わかってる?」

とお叱りを受けた。ならなんでもっと早くに起こしてくれなかったのか。

不満を覚えながら、咀嚼のスピードを上げた。


結局、学校には遅れずにすんだ。むしろいつもより早く着いたくらいだ。どうやら安全を顧みない運転が功を奏したらしい。学校へ着くと、

「岸くぅ〜〜ん」



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