復活
@3398
第1話
「わたしにはやるべきことがある」
そう言った私を、周りの奴らは興味深そうに眺め、物好きなやつだと噂したり、あるいはどこか感心したような目で見るものだ。
だが私は止まらない。
私は他の奴らとは違うのだ。私には活力が有り余っているのだ。
そんなことを考えて早歩きをしているうちに、もうここにたどり着いてしまった。
—現世再起最終決定所—
ドアを開けるとそこは、厳かな入口と違い拍子抜けするように質素な空間だった。
しかし、あの世のどこよりも重々しく厳粛な雰囲気が流れていると、私は感じた。
「こちらへお掛けください」
管理人が言う。どうやらもう咎められないらしい。
「今まで行った666回にわたる面談により、あなたには”再起”する許可が降りています。よってこれから”再起”に関する注意事項の最終確認を行います。よろしいですか」
「はい」
「1.再起後の記憶保持は原則として制限されます。 断片的な直感や既視感として残る可能性はありますが、意図的に前の生を思い出すことはできません。」
私は頷いた。
「2.再起先の環境は選べません。 希望は参考として承りましたが、最終決定は上位部署──“運行課”が行います。」
「承知の上だ。」
「3.再起は任意であり、強制ではありません。よって今からでも中止することが可能です。それを踏まえたうえで、あなたは本当にこの先に進みますか?」
私は深く頷いた。
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筆者
初投稿です。温かく見守っていただけたら幸いです。
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