第4話 女神の作り方
正直ここから先は書くのは少し辛い、もしかしたら読みづらいかもしれないけど許して欲しい。ありがとう。
じゃあ話の続きを書くよ、彼女と会話が止まって6ヶ月程経った。彼女とはWhatsAppって言うアプリで話してたんだけど、それにはインスタのストーリーみたいなのがある。 彼女も時々更新してて僕はそこで彼女を見てた。 ある日いつも通り彼女のストーリーが更新されてた、もちろん直ぐに押して見たよ。 正直いって僕はショックだったよ、本当は喜ぶべき事だってわかってる。でも僕にそんな強さはなかった。
彼女のストーリーにはエコー写真が写ってた。 色んな考えがよぎったよ、もしかしたら僕の子じゃないか、とか従姉妹や親しい友達が妊娠してそのエコー写真なんじゃないかってね。
まず最初に僕の子では確実になかった、あんまり生々しい話はしたくないけど避妊はきちんとしてたし、そもそも僕の子なら確実に何か言ってくるはずだしね。冷静に考えて彼女が国に帰って完全に話さなくなるまで約5ヶ月ほど、そこから半年経ってからのエコー写真だ。
11ヶ月かけて妊娠発覚は絶対にありえない、普通ならもう出産してる時期だ。
頭の中がパニックだった。だって僕はまだ付き合ってるって少なくとも信じてたんだから。 それに、新しい人と新たな人生を歩んでるのにどうして僕をブロックしない? どうして敢えて僕にも見れるようにしてるの? なんで一言、別れようってはっきりしてくれないの? 色んな”どうして?“が頭の中を行ったり来たりした
普通の人ならきっとこの時点で、自分から彼女をブロックして、友人や家族に最低な女として愚痴って終わりだろう。
でも僕は違った。 それが出来なかった、だってそれをしたら、彼女のくれた優しさや愛情が全部嘘になる気がしたから。 だから心の中で彼女を庇った、“きっと彼女は怖くて言えなかった、僕を気遣って新しく好きな人が出来たって言ってこないんだ”ってね そして自分の中で1番幸せだった時の彼女を思い出して、自分の理想の彼女を作り上げ、現実から逃げた。 こうして女神は作られたってわけ
頭の中では彼女が僕のことを好きじゃないって分かってる、なのに心が絶対にそれを認めない。何があっても彼女を離さない。 そして”彼女がブロックしてこないって事は、もしかしたらまだ彼女は僕に気があるかもしれない”という勘違いをする。
彼女には彼女の人生がある、それは分かってる、邪魔しちゃいけないのも分かってる、だから僕は沈黙を選んだ。強さゆえの沈黙ではなく弱さゆえの沈黙だ。 そしてただひたすら待った そして心の中で”彼女は僕を捨てて当然”とか”僕は価値の無い存在だ”って思い続けた そしてもし一瞬でも心の中で”こんな曖昧に終わらせた彼女も少しは悪いのでは?“っと思う度に全力で自己否定し彼女を庇い続けた。
勘違いしちゃいけないのはこれは純愛なんかじゃないってこと、歪みまくった男の狂愛だ。 根底にあるのは彼女への愛なんかじゃない、彼女を通して感じていた自分に対する価値観が無くなるのが怖かったんだ。彼女に自分の価値観を完全に委ねてたから、彼女が悪いと認めたら そんな人を愛していた自分の価値も同時に地の底まで落ちるし、何より自分の愛が間違えだったと認めることになる。
そんな事この時の僕にはできなかった。 でも友人や家族に話すつもりはなかった、 話せなかった。だって今までも辛い時は1人で解決してきたから。 だからいつも通り自分自身と話した。 でもこの時は、ある意味自己憐憫に浸っていたと言っても過言では無いと思う。 心のどこかで自分は悲劇の王子様って思ってたのかもしれないね。
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