第4話
——カゴを漁る
先程チャットで話した通り今日は野菜が安売りされているらしい——キャベツ、カブ、椎茸、大根、大玉のトマト、ほうれん草、玉ねぎ、豆苗、もやし。
その他にも、半額シールの貼られた豚ひき肉や鶏モモ肉、あらびきポーク。カレー粉に、トマト缶。豆腐、納豆、流水麺——といった雑多な、けれどできるだけ出費を抑えたいという意志を感じる食品の数々がカゴ内にはあった。交渉通り
検品を終えると、
「よーし、にんじん入ってなかった。異常なし。交渉は妥結ね」
呑気なことを言う
「わざわざカゴの中確認するとか、わたしってもしや
「そぉーんなことないですのよ、
「信用があれば、その『一応』が発生する余地なんて一切ないのですがね」
むーっとむくれて圧をかける
「……い、いやほら、石橋は叩いて渡れといいますし、転ばぬ先のスティックということわざもこの世には存在するわけで、用心に越したことはないわけで」
「厳密にいえば、杖は英語で『Stick』じゃなくて『Cane』だけどね」
「別にそんなマジレスしなくてもよくないっ⁉」
流石は大学生。英語もそれなりにちゃんと勉強している。
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