せいなる呪文

せおぽん

せいなる呪文

レディマジシャンがあらわれた!


腰をくねらせながら杖を振る女魔法使い。その姿は妖しく、戦士たちの視線を一瞬で奪った。


杖先から放たれた魔法に、戦士はたちまち膝をガクガクさせて崩れ落ちる。

「ぬうっ」と一言だけ漏らして、まるで骨抜きにされたかのようだ。


女魔法使いがこちらを向き、再び杖を振り上げる。

杖をさすりながら、官能的な声で詠唱が始まった。


「創生の二玉より放て……白きマグマ……」


腰が抜けそうになりながらも、俺は必死に踵を返して走った。


杖から白い光が鋭く放たれる。

光を浴びた瞬間、魂が抜けるような感覚が全身を駆け抜け、俺は耐えきれず、「あーっ!」と声を上げて果てた。


昇天魔法『スルペマ』。

若い男たちには、回避不可能な恐ろしい呪文だ。


その後、駆けつけた女僧侶が俺たちを、汚らしい物を見るような目で一言、「……キモっ」っと言った。レディマジシャンは、女僧侶の姿を見ると逃走した。この魔法は女性には効かないらしい。


それ以来、女僧侶は俺たちに回復魔法をかけるのを、露骨に嫌がった。

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