第11話天魔逆転

まさか悪魔と手を組むときが来るとは…「ベリアル、デューラのことはどれくらい知っている?」「ん〜正確に言えば悪魔の奴隷扱いを受けていた頃からの仲だ」そんなに長くいたのか、私はたった2年しかいられなかったそう思うとあの日々は特別だったんだと思い返す。「ベリアル…なぜ悪魔が奴隷扱いだったのか知ってるのか?」ベリアルは少し笑った「そうですね〜」少し濁された…何があるに違いない「ここからは全て事実です、聞く覚悟はあります?」ベリアルは真剣な眼差しで私を見たただならぬ秘密があるのか?「話してくれて…」ベリアルは口を開いた「悪魔は人の心に巣を作る…それは間違いだ、正確に言えば悪魔とは人の〝欲望を魔法〟にし形が悪魔という〝幻覚〟を生み出した精神異常なのだ」私はこれが事実なのかと疑ったが私は確かにデューラの形言葉全て〝現実味〟があるだから生き残れた…待て、じゃあ〝神々〟は一体なんなんだ私は「その理屈だと私とお前の説明がつかない」ベリアルは「貴方も体験したはずです〝イレギュラー〟に」私は「は!」「そう、貴方が体験した人格が二つある状態悪魔の間では〝ペアグラム〟と呼んでいます」イレギュラーを起こすのは生贄の超過で起こるものなのか?「じゃあベリアルはなんのイレギュラーなんだ?」「貴方の逆…貴方の場合デューラが肩代わりした私の場合は体の持ち主が肩代わりしたから」「悪魔の契約として二つ願いが叶う…それは嘘です、悪魔は立場が弱く弱点を突かれたくないから二つの願いにしている、本来なら3つ叶えられます」さらに驚く「特に貴方は異質です、契約無しで願いが叶ってしている」言葉が出ないまるで聖書に書いてある事が全てデタラメじゃないか!「なぜ3つ目を隠してる?」「人間は欲深い生き物です全て叶ってしまえば私悪魔は用済み扱いだから悪魔だってある種の人間の形です死にたくないと思うのは当然ですだから3つ目はいつでも契約を破棄するための悪魔側のアドバンテージなのです」そして「なぜ奴隷扱いだったのかはこれはさっき話ししたように人間は欲深い、だから自分より下の身分を作りたいと願ったその標的になったのが私達悪魔です自分自身の願いを叶え悪魔を蹴落とす何度聞いても嫌な話ですね」私は足が止まってしまった…今まで信じていた物が崩れ落ちる音がした。「アラルの神域をみましたか?なぜ外側に神域を作ったのか知っていますか?」「修行の一環と聞いている」「聞こえはいいが実際は違う神域は悪魔を弾く力があるよっぽど自分の保身のためとしか考えれない」待て……神域は動けない神々が作った結界なぜ外側に…「私の推測ではアラルは七福神の中の一人だと」ベリアルは言った〝七福神〟それはこの地に初めて神々が降りた七人の神様だ。だったらアラル様の神域の説明がつく七福神は例外ではあるが神々は人から自然に還るものだから神々にも人としての寿命と自然としての寿命があるユグドラシル様もアラル様も調和と言われる人と自然の中間な存在だったんだ。

ここまで聞いて頭がパンクしそうだが悪魔の始祖であるベリアルが言うだ神々よりも説得力がある「なぜ淡々と話せる?」「私は始めから人との共存が目的だ神がいなければ忌まわしき〝契約〟なんて行為はなかったから…」話は最後まで聞いただけど確かなことが一つ…悪魔の始祖が言うんだ間違いはないだが悪魔の言葉を鵜呑みにはできない「デューラの言葉も信じられないのですか?」そうだデューラとの実体験があるだから次の目的は一つ神の始祖がいる天界〝バルハラ〟を目指すことにした。「もちろんついてくるんだよなベリアル?」「私から持ちかけた話しだ付き合うよ」と笑いながら返すそして「コレで肩の荷が降りる〜トガ見てろ国が壊れる瞬間を!」ベリアルは神域を消した瞬間今まであった禍々しいオーラが消え空が見え雲が消え光が差し込む…「コレで悪魔は私一人だけ…」九龍街は人一人住んでいない〝沈黙の国〟となった…こうやって廻っているのが世界だと思う瞬間だった。「ホントにいいんだな」「あ〜これが〝私達〟のパレードの始まりさ」とまるで奴隷が神々に喧嘩する宣言となった「〝達〟って私を入れるな!」「トガも同じもの背負ってるんだろ仲良くしようぜ〜」こいつやっぱ悪魔だでも〝兄〟ができた気がして少し嬉しくも思うよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る