第9話無秩序の九龍街1

何度躊躇ってしまうデューラだったらどう選択していたのか?「九龍街まで後はどのくらいんですか?」と私は馬車の主に聞いた「お嬢ちゃん今回はお金貰ったからだけどおじさんあの街行きたくないんだよ、後2日あれば着くよ」と返された。そりゃ嫌だよな〜無理言ってすいませんと少し罪悪感を覚えた。おじさんは私に問いかける「お嬢ちゃんなんで九龍街まで行きたがるんだい?」私は「今13歳で禊のために各所の神様にお祈りして回っているんです」おじさんはあ〜と納得した返事をした「お嬢ちゃん大変だね、そういえばお嬢ちゃんどこから来たんだい?」「あ〜私はユグドラシルの町外れから来ました」「!?」「どうかしました?」「お嬢ちゃんもしかしてトガって名前かい?」はいと答えるとおじさんは黙って私を馬車から降ろした。するとおじさんは「ここからこの森を使えば1日早く着くよ…お嬢ちゃんお金は返すよ…」私はびっくりした「なぜですか?」「お嬢ちゃんもしかして自分の立ち位置わかっていないのかな?」「?」私はそう返すと「今この世界では死者を蘇らせる事が実証されているんだお嬢ちゃんの存在がまさにそうなんだ…だから悪いことは言わない九龍街には近づいてはいけない」とおじさんは気の毒そうに言う、だけど私は「弟にもう一度会うために私は進みます」「そうか、汝に幸があらんことを」マリサの言葉がここでも!「おじさんは聖女マリサとは古い付き合いでねこの言葉が好きなんだ…」そして「お嬢ちゃん何があっても悪魔の契約はしちゃいけないよわかったかい?」おじさんの最後の警告だと思って聞いた。道半ばおじさんとは別れた、九龍街…あの街に入ったら最後体一つ残らずしゃぶられるから〝黄泉の国〟と言われている。原初の聖者パラディンとマリサ以外入った文献が無い…そして悪魔の始祖ベリアルがこの街の〝神〟だ。

最後の旅になる可能性がある初めてだ自分自身に祈りを捧げるのは。デューラはいつもこうやって私を守り続けてくれていたんだね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る