【企画参加】執筆のきっかけを語って良いですって!?

のっとん

執筆のきっかけ

 こんにちは。のっとんです。


 永久保セツナさんの自主企画『【エッセイ企画】あなたの文章のルーツを教えてください』に参加させていただきます。



 幼い頃の私は就寝時に妄想することが大好きでした。姫となった私は魔王や悪龍に誘拐されるんです。

「きゃー助けてー!」攫われた姫はおとなしく牢屋で王子様を待つのがセオリーです。しかし待てど暮らせど王子様は現れません。幼い私には俯瞰(三人称視点)で物語を作る力がありませんでした。

 待つことに飽きた姫はとうとう脱走を試みます。映画のピーチ姫のごとく勇敢に、攫われては己で脱出し、また攫われてを繰り返し・・・・・・それが今、物語を作ることの原点になっていると思います。


 さて、この頃の私には自分の妄想を文字に起こす、という発想はありませんでした。そして同時に、長い文章を書くことはとても得意でした。

 どれくらい得意かと言うと「長い文章を書ける」というただ一つの武器で、夏休み明けには読書感想文、冬休み明けには人権作文と小さな賞を貰い続けたくらいです。

 当時の私にとって「文章を書く」ことはイコール「簡単な宿題」でしかなく、上手くなりたい気持ちもありませんでした。思ったことを書いて提出すれば丸が貰える。それで十分だったんです。


 転機が訪れたのは、小学五年生の国語でした。

 教科書に載っている写真から物語を書いてみよう、という授業で、私の中で「妄想をする」ことと「文字を書く」ことが繋がる機会になりました。


 それはそれは楽しい時間でした。今まで頭の中だけで、ある意味こっそりしていた妄想を堂々と勉強としてやっていいだなんて。

 原稿用紙はあっという間に埋まっていきました。内容は当時はまっていた子ども向け王道冒険ファンタジー。猫と犬と少年が宝を探して舟で旅をする。途中で妖精に出会って・・・・・・


 私は物語を完結させました。しかし納得はできませんでした。

 その物語はどう見ても尻すぼみでした。大きな目標を掲げ、大船に乗った気持ちで出発した一行は、行き先に迷い、困難を乗り越える力も無く、最後は妖精一人の魔法で解決すると言う。なんともお粗末な展開でした。


「この話は面白くない」


 自分が書いた作品へ読者(自分)から評価が下った瞬間でした。



 その後は書いたり書かなかったり。ハリー・ポッターのコミカライズに挑戦したり、中学の夏休みには漫画を投稿してみたり(バクマン。最盛期でした)一度漫画へと移行したものの、結局こうして文字書きへと戻ってきた次第です。

 学生時代はあらゆるジャンルに手を出しては才能の無さに挫折していました。しかし人とは不思議なもので、挫折しきると開き直ると言いますか。今はもう楽しけりゃいいや、という心持で書いております。


 では、また妄想が溢れたときにでもお会いしましょう。

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