第7話 表彰式の舞台で
奇跡の勝利から3日後。
今日は表彰式+パーティーの日だ。
始まるのは17時からだが、哲男は朝からドキドキしている。
「なぁなぁ、紅葉、俺、どうすればいいと思う?」
哲男は興奮状態&緊張状態で先程からずっとこの意味不明な質問だけを繰り返している。
「哲男はいつも通りでいいと思うよ。」
隣で蒼人が静かに言う。
蒼人の表情は穏やかだが、実はかなり緊張していた。
それを見て雪兎が笑う。
「みんな、緊張しすぎだって。紅葉も、手、震えてるよ?」
「もう!雪兎はいいよね。出ないからってそんな穏やかでいれて。」
ツンとする紅葉。
「出ないじゃなくて出られないだけだよ。本当は行きたくて仕方がないんだから。」
雪兎はそう言って肩をすくめる。
実は、この表彰式とパーティーは試合に出た人とその家族しか出られないのだ。
そんなこんなで騒いでいるうちに家を出る時間になってしまった。
「行ってらっしゃい。」
雪兎と白兎は3人を見送る。
紅葉は自分が乗っている車が家から遠ざかっていくのを感じ、新たな出会いを楽しみにしていた。
会場に着くと、豪華な装飾と華やかな雰囲気に圧倒される。
壇上には王族の方々が並び、観客席には家族や関係者が揃っている。
「わぁ……すごいね、哲男。」
紅葉は感嘆の声を漏らす。
「大丈夫、大丈夫。俺、いつも通りで……」
哲男は自分に言い聞かせるように呟くが、手は少し震えていた。
司会者の声で、バスケットボール大会の表彰式が始まる。
名前が呼ばれると、哲男は緊張しながら壇上へ。
蒼人も隣で落ち着いた表情を見せつつ、軽く頷いて応援している。
「優勝は……〇〇高校!」
観客席から歓声が上がる。
哲男は少し照れくさそうにトロフィーを受け取り、紅葉の方を見てにっこり笑った。
その瞬間、壇上の隅から一際凛とした立ち姿の男性が現れる。
第一王子――深みのある青い瞳と、品のある立ち振る舞い。
微笑みながら、哲男の方に一歩近づく。
「おめでとう、君たち。よく頑張ったね。」
その声には、威厳と優雅さが混ざっている。
話す時も、言葉のひとつひとつに品格が滲む。
紅葉は、王族としての落ち着いた態度や仕草――立ち方、微笑み方、手の動かし方――に思わず見惚れてしまう。
(わぁ……本物の王族だ……)
心の中でそう呟いた。
哲男は緊張で言葉が詰まりそうになりながらも、蒼人の落ち着いた視線に助けられ、深くお辞儀をした。
第一王子はその礼儀正しさに微笑み、軽く頭を下げ返す。
紅葉たちは、試合で得た勝利の喜びと、王族との出会いに胸を高鳴らせながら、この後の作戦の重要性を改めて感じていた。
音楽が禁止されている国で音楽を復活させよう! 結菜 @112-984
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