第4話 闇に響く笛
「はぁ、喜びすぎ。まだ蒼人先輩が承諾してくれるかわからないんだよ?」
冷たく言い放つ白兎。彼はスマホを取り出し、蒼人に電話をかけた。
「もしもし、蒼人先輩、お願いがあるんですけど、いいですか?」
しばらくして白兎は電話を切る。
「いいって言ってたよ。今日の部活に参加したいって。早速行くみたい。」
その言葉に哲男は思わず顔を輝かせる。
「はい!もちろん!白兎様と呼ばせてください!いや、神と!いや、仏でも!」
白兎はその言葉を無視して、邪魔な虫を払いのけるように手を振った。
「じゃぁ、行ってらっしゃい。」
学校に着くと、見知らぬ男の子がバスケ部員と話していた。彼は哲男に気づくと、柔らかく微笑んで声をかける。
「こんにちは。蒼人です。」
哲男は思わず頭を下げた。
「よろしくお願いします!哲男です!」
蒼人は少し不安そうに言った。
「今、高校では歴史研究部に入ってて、最近あまりバスケはしてないんだ。ちゃんとできるかなぁ…」
その一言に哲男は驚く。
「今、バスケ部じゃないんですか?」
「当たり前だよ。バスケ部だったら、この学校の人として出られないからね。」
そして小さく笑った。
「ちなみに、音楽が禁止された背景にも興味があってね。」
哲男は心の中で思った。
(音楽が禁止された背景…?紅葉が笛の音を聞いたって言ってたな。でも今聞くのはタイミングじゃないかも…)
「なるほど!わかりました!」
哲男は元気よく答えるにとどめた。
時は変わり、午後六時頃。雨が降っている。哲男は傘を持っておらず、紅葉は傘を持って学校まで行くことにした。
「あれ、紅葉さん。」
白兎の声に振り向くと、そこには傘を持った白兎が立っていた。
「あっ、白兎くん。これから雪兎のお迎え?」
「はい。お兄ちゃんが濡れたら風邪をひいたりして困るので。」
礼儀正しいが、ブラコンぶりも伝わってくる。紅葉は少し笑いながら、一緒に学校まで歩いた。
途中、南川の橋を渡る紅葉。突然、体が重くなり、意識が遠のく。
気がつくと、周りは真っ暗。
♪~♫~♪♫
「おねぇさん、大丈夫?」
花音ちゃんの声と、どこかで笛の音が聞こえる。
「大丈夫だよ。きれいな音だね。」
怖さを押し殺して心の中で答える。
すると、悲しそうで寂しそうな声が重なる。
「なんでっ!なんで花音ばっかりっ…!」
笛の音は少しずつ大きくなり、紅葉の胸に響いた。
パッと視界が開ける。
紅葉は立とうとするが体が重く、動けない。
「おねぇさん、音楽を復活させて。」
耳元で花音ちゃんの声が聞こえた気がした。
次に目を開けると、紅葉は病院のベッドの上にいた。
周りには哲男、雪兎、白兎、そして蒼人の姿がある。
「大丈夫か?丸一日も意識がなかったぞ!」
哲男の声から、心配がひしひしと伝わってくる。
「ごめん…」
紅葉は申し訳なさそうに答えた。
「何があったの?」
雪兎も心配そうだ。
紅葉は暗闇の中で起こった出来事を順に話す。
4人は驚きの表情で、紅葉を見つめていた。
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