②最強の武器を消滅させてはいけません
原初大陸と呼ばれる場所。その中心部に漆黒の巨体が鎮座している。
──魔竜。あるいは人類最悪の敵。
そして今日も彼の前には、彼を倒そうとする者たちの姿があった。
聖剣スターライトを携えし
人類最強と呼ばれる彼らは、漆黒のドラゴンを前にしても怯むことはなかった。
戦士が斧を構える。僧侶が女神の加護を勇者に与える。魔法使いが勇者を援護するための攻撃魔法を放つ。
「てめえが人類最悪と呼ばれているのも今日までだ。俺の『星牙聖烈斬』を受けて生きていられる奴はいない!」
──対して、魔竜はとりあえず様子を見る。挨拶代わりに
そうしているうちに魔法使いの放った特大の炎塊が魔竜に直撃する。そのタイミングを狙って勇者が踏み込んで斬撃を放つ。
「星牙聖烈斬!」
こうして勇者の必殺技が見事に漆黒を斬り裂いた──はずだった。
しかし魔竜は無傷。一方、勇者の聖剣スターライトは魔竜に触れた部分だけ綺麗に消滅していた。
「…………」
それは極寒の風となって勇者一行を襲った。
「エクスプロージョン!」
「セイントファイア!」
魔法使いと僧侶が炎の魔法で応戦するが、冷気の風は炎もろとも凍らせてしまった。
その光景を目撃した魔法使いたちは、はっきりと絶望を自覚した。やがて冷気の風はその絶望ごと彼女たちを凍らせる。
***
【お説教タイム】
「最強の武器を消滅させて勇者さんを絶望させてはいけません。あと炎を凍らせるとか意味不明なことをしてはいけません」
少女の姿をした女神の前で、魔竜が正座(?)をしながら話を聞いている。
「ぐぬう。しかしあの剣が弱すぎるのだ」
「私が加護を与えて
「分かった。次からは気をつける」
魔竜はそう言って謝った。人類最悪の敵は、女神の前では姉想いの弟なのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます