「異世界」より異世界している、常識の違う世界に突然放り込まれた怖さ

何を言っているのかと思うでしょう?
ぶっちゃけ「異世界」といっても、想像の範囲内にある「なじみのある世界」なんですよ。
国王や貴族が支配する中世ヨーロッパ風の世界、文明。
火水風土などの属性を持った魔法体系。
ゴブリンやオークと聞けば、説明がなくてもどんなモンスターか最初から知っています。

え!? 人柱……木いいい???

冒頭から普通の家族の日常が描かれていますが、いやいや全然普通じゃない!

舞台設定が頭にない未知の世界に放り込まれた怖さもありますが、それ以上に怖いと感じたのは、異形のモンスターではない、言葉の通じる普通の人間との価値観のかみ合わなさでした。

第1話で結末が語られ、そこに向かって進む物語です。
世界の常識になじめない主人公・カエデの目線で語られる物語は、読者目線で共感できると思います。

この第1話、木材になったカエデに意識があるんですよね!
これ覚えておいてください。
最後まで読み終えたとき、とてつもない恐ろしさを感じると思います(笑)

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