溶けてしまった

世界が「溶けて」見えてしまう彼女。その彼女にとって溶けないもの、に相当するものを絵筆で生み出せる才能は凄まじいものがありながら、もっと違うものを、もっと上を、と目指してしまう性は実に"人間"らしくて、見えているものと望んでいるもの、望まれているもののすれ違いが凄まじく繊細に描写されています。両者それぞれの世界に浸りながら読んでいくと、世界の捉え方が全く違って見えてきそう。最後、彼女にとって彼すらも「溶けて」しまったんだろう。薄ら怖くて、それすらも美しい。

その他のおすすめレビュー

莉翠さんの他のおすすめレビュー52