第二話なんでもできる
昼食を食べ終わり、私は流れる雲を眺めていた。このままずっと自由に浸っていたいと思えるほど、青く澄んだ空。
どうして、街にいるときはこの空の青さに気づかなかったんだろう。先生も旅に出ていたときはこんな気持ちを味わったのだろうか。
ふと思い出し、鞄からノートを取り出した。
先生が昔旅をしていた時につけていた日記帳だ。出発する前に旅の参考になるかと思い、先生の書斎の本棚の裏から持ち去っておいたのだ。
これから何をしよう。空を見ているとなんでもできるような気がする。
「まるはどうしたい?何をしたい?」
焚き火の向こうに座っていたまるは立ち上がってにゃあと鳴いた。私はその時重大なことに気がついた。通常、使い魔をもらった後魔法使いは動物の言葉が理解できるよう耳に魔法をかけてもらうことになっている。だが私は魔法をかけてもらう前に街を出てきてしまった。これから一生を共にするはずの使い魔だ。言葉もわからず、仲良くやっていけるのか?ひとまず、私の旅の目標は動物の言葉が理解できる魔法を探すこと、になった。
魔法収集にはまずは魔導書がある場所を見つけなければならない。カップや日記を綺麗に鞄にしまい、街を目指して飛行を始めた。
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