とても面白い。
- ★★★ Excellent!!!
レビュー執筆によってアカウントがBANされるのか、という実験。
とても面白い。
この一文でもう私が感想を書くのが死ぬほど苦手だということが分かる。
べつに感想がないわけではなく、言語化できないのとも違う。
小学生の頃に読書感想文を書かされるあれも私は特に嫌ではなかった。自分が何を感じたのか考えるのは好きだ。
それを共有したいと思わないのでアウトプットに至らない。ただ私が書いているものは全部、私の体験に対する感想文でもある。
レビューを書くのはもっと苦手だ。何かを批評すること云々以前にまず「おすすめ」という概念を私は信用していない。
「あなたはこれが好きそう」と言われても「何を根拠にそう思ったのか提示していただければその適切さによって検討します」くらいに思う。大抵は結局それを見ることも聞くこともせずスルーする。
何を好きで何を嫌い、どの角度で刺せば痛いのか、あるいはそもそも痛みを求めているのか、知らなければ勧めようがないはずだ。
私はカクヨムでも他のサイトでも基本的に感想やレビューを書かない。幸いにも無言で☆だけつける行為が許されているのでそれくらいはする。
個人的にはブックマークのつもりだが、カクヨムではおすすめレビューということになる。コメントはなくとも高評価をした扱いなのだろう。
サイト上で読む数が少ないうえに滅多に☆をつけないのでブックマーク扱いをしても不便はないし、規約違反でもないからべつによかろうと思っていた。
実験のお話に戻ると、正直「レビューを書く、あるいは☆をつけることで垢BANに繋がり得る」の意味が最初は分からなかった。
BOT利用や宣伝スパムはそれ自体が規約違反であって、レビュー内容の問題ではないだろう。
読み進めたところ、私がカクヨムの性質を理解していなかったことを理解した。
カクヨムではレビューが一つのコンテンツとして成立している。話題になったレビュー特集みたいなものも見かけ、レビューも選考の対象となる「一つの作品」なわけだ。
しかもカクヨムコンの概要を改めて読むと確かに選考方法には「読者選考期間中の評価が反映されたランキングを参考に」の文言がある。(https://kakuyomu.jp/contests/kakuyomu_contest_short_11/detail)
レビューがつけば応援に繋がり、応援があれば新たな読者を呼び込みやすく、コンテストで有利(?)になる。同時に、そのレビューが粗製濫造されたとしたら選考の初期段階で支障をきたし得る。
だから極端に投稿頻度が高い、内容が薄すぎる、主観的な感想であり批評になっていないなどの場合、該当文章の削除に留まらず「レビューで垢BAN」も、まあ、あるのかもしれない。
ガイドラインに抵触するものは「低質」ではなく「悪質」でありBANされるのは当然として。
書く側と読む側が一体化しているのがカクヨムの独自性なら、レビューつまり読む側の作品も自由であるべきでは、とも思う。
尤も私はレビューが原因でアカウントをBANされた実例を知っているわけではないので、何とも言い難いところではある。
究極のところ「読んだ。よかった」だけでもレビューとして成立する。
それを読む側によって「この人はあまり語らず説明したがらない性格なら、それでもレビューだけはしたくなる魅力を作品に感じたということ。似たような性質であれば刺さりやすい作品だろう」と分かるからだ。
このようにレビューと称して長々と関係なさそうな自分語りを行っていたとしたら「それだけ思考したくなる刺激的な作品なのだ。考え事が好きなら刺さりやすい」とは分かる。
このサイトにおいては長短や濃淡や投稿頻度、レビューのほうにも多様な側面から質の良さが求められているのかもしれない。
比較として小説家になろうのネット小説大賞も見てきた。あちらは「ポイントによる足切りはしておりません」と明言されている。(https://www.cg-con.com/novel/vol14/)
あちらでも感想やレビューは盛んだが、読者の評価と選考は完全に別のところにある。
小説家になろうは文字通り筆者が作家を目指す場所であり、カクヨムは文字通り書く人と読む人が一緒に盛り上げていく場所。一方通行と一方通行の交差か、双方向のコミュニケーションか。そういう違いが見える気がする
そんなことを考えさせられるお話だった。
これがレビューとして適切なのか不適切なのかはちょっと分かりませんが、私の「とても面白い」の内訳はこのようなものとなっております。