Log1 ナナチ
砂漠だった。一面に広がる砂漠。
所々ビルらしき何かの残骸が見える。何もない、少し砂漠の方へ歩き自身の寝ていた場所を確認しようと思った。
不思議に思ったのは太陽がギラギラ照っているのにそれ程暑くなかった。寧ろ心地良いくらいの温度だった。
ビルの上層部が埋もれているところに僕が居た。その左奥に寂れたコンクリートのビルが見える。60階建ぐらいだろうか。その右斜め前にピサの斜塔程に傾いたビルの様な建物が見える。酷く崩れている。此処からでも中が見える。気がする。
木や茂みも見えた、先ずこの場所を探索して手掛かりを探そう。
コンビニの店員さんが愛しく思えた。
僕が寝ていたビルの残骸を始めに探索しよう。
何も無さそうだが探索してみよう。
砂に脚が埋もれる、歩く度に。
僕が寝ていた周りを調べてみた、何か落ちてないか。そもそも何でこんなとこで寝ていた。僕は寝ていたんだよな、じゃあどのくらいの時間。何でこんな場所で寝ているんだ。地震のアラームが流れて、それで。
「くそっ、何もない」
僕はコンクリートに右手を握りしめ打ちつけた。
取り敢えず人を探そう
「おい。」
人を探して
「おいっ」
それで此処は一体何処なのか
「おいったら」
「うおおぉぉおお!?」
とても驚いた。ビルから出ようとしたら後ろから声がして驚いて振り返った。
「お前、人間って奴だろ。おいらには分かる。」
そう話しかけてきているのは人らしきうさぎ。人にしては耳が生え体毛に覆われており、うさぎにしてはやや灰色がかっており二足歩行だ。そして喋った。
「おいらの名前はナナチ。お前はなんて言うんだ。」
ナナチ。日本語の名前らしく不思議と安堵感が出た。
「僕の名前は、ハヤト。よろしくナナチ。」
此処は普通に接するんだ。普段なら動物らしき生物が喋ってる時点で怖くて失神するが今は違う。ん?何か違うか。
バチーーンッ
握手をしようとした右手にナナチはハイタッチの様に自身の右手を当てた。
「ふんふっふっ〜ん」
ナナチは上機嫌でビルから砂漠に出た。
「ええぇーー」
僕はジンジンする右手を押さえながらナナチの後ろ姿を見送った。普通なら握手では。
「どうした、早く来い。人間。」
顔だけ振り向きナナチは僕にそう言った。
やばい奴と関わってしまったらしい。
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