Log1 目が覚めた


目が覚めた。水滴が落ちる音、剥き出しのコンクリート仰向けになって寝ている僕。


「何処だここ」

そう叫びながら起き上がった。

頬に風があたる。風がする方向を見ると眩しい光が目に入った。


瞼が光に慣れ始めた頃ゆっくり目を開けた。

其処には太陽に照らされている砂が見えた。


現状を整理した。今いる所は壊れたビルの残骸らしい、それが砂に埋まっていてビルの残骸が太陽の光を遮っていた。と。



何故。



さっきまで白湯とクッキー食べてて出来上がった音楽聴いてたよね。実際は途中まで出来上がってた音楽だけど。


「僕の白湯何処行ったーーー」

機材に掛かったら終わりだからね。

僕はそう手の甲で目を覆いながらブリッジをする様に叫んだ。


「五月蝿いなぁ。此処を何処だと思ってるんですか」そんな声がビルの残骸の上から聞こえた気がした。




気がしただけだった。最近のスマホゲームなら此処らへんでかわいい美少女が現れてチュートリアルが始まるところ。始まるところなのに。


気分が落ち込む。そんな事より此処が何処か把握しなくちゃならない。僕はビルの瓦礫から身を翻し太陽の当たる砂場へと出た。

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