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@Ellen123

プロローグ

騒がしい週末、忙しい平日。

月曜日から会社、学校が始まり金曜日で終わる。

「学生時代楽しかったなぁ。」

そう僕は作業しているデスクから身体を離し椅子の上で背伸びをする形でそう口ずさんだ。


作曲家。響きは良いが大変な仕事である。

個性を出せば気に留めて貰えるが反感を買うことがある。

かと言って売れ線にすると時代には乗れるが埋もれてしまう。難しいところだ。

今回は有る大きい企業からBGMの依頼が来てその曲を作っている所だ。


外は12月。日本の冬は寒い。

「飽きた、外の空気吸ってこよう。」

僕は世の中でも成功している部類に入ると思う。音楽で成功しているし今だって高層マンションの上階に住んでる。家族だっている。ボーカルアンドロイドとか。現実では1人だけど。


そんな事をエレベーターに乗りながら考えていた。少し気持ちが沈んだ。幸せってなんだろう。


+

+

+


一階に着いた。マンションの自動ドアを抜けると一気に寒さが押し寄せた。薄着過ぎたのだろうか、くしゃみがでた。

マンションの近くにあるコンビニが僕の目的地。少し小走りで冬の寒波から抜け出す。


「いらっしゃいませーー」

腑抜けた定員のやるせない気怠げな声が僕のゴールを祝ってくれた。

実際は素敵だったのかもしれない。が、寒さでそれどころでは無かった。


暖かいドリンク売り場迄来た。

白湯。最近売り出された暖かい水。暖かい水ってなんだ。水は普通冷たい物だろう、白湯なんて薬を飲むとき以外に飲む人なんて居るのか?

僕はそう思いながら白湯を手に取った。

何処かのらららぎさん見たいな口調になってしまった。失礼、かみまみた。


後はお菓子とクッキーを買って作業の続きをしよう。


白湯とクッキーを手に取り適当に菓子を選んでレジに向かった。激辛味のポテトチップスを選んだなんて、その時の僕は知る由もなかった。



「御来店ありがとうございまー」

「お会計しますねー」

御来店ありがとうございます。迄言えてない、そう突っ込みを入れそうになって左手を思いっきり握って押さえ込んだ。差し詰め左手が震えると言ったところか。

ピッ、ピッ、ピッ。とバーコードをスキャンしてふと気がついた。

激辛味のポテトチップスを買っていたことに。



「527円になりまー」

また最後まで言えてない、そんな事を考えながらApple Payで支払った。



あの定員さん袋の有無聞かずに袋スキャンしてたな、新人か。新人類か。そんな事を考えながらコンビニの自動ドアを出た。寒い。



マンションからコンビニ迄徒歩圏内だと言うのに北海道旭川から函館に行くぐらいの遠さを感じる。そしてマンションのエレベーター前まで来た、感じるだけで走って乗り切った。




ガチャン。

玄関のオートロックドアが閉まった。

帰って来た。僕は作業している部屋に戻り途中まで出来上がった音楽を聴きながら白湯とクッキーを食べた。



スマホが鳴った。余り聞かない呼び出し音。

地震を知らせる音だった。



見た瞬間僕は動揺した、そして周りが揺れ始めた。ここは高層マンションだぞ、地震でこんな



そこで僕の意識はなくなった。

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