1-3.異能覚醒

[と、いうわけで!皆の異能スキルを発現させていきたいと思いまーす!]


そもそも異能に関する情報を全く提供されていないのにそんな軽いノリで言われましてもって感じなんだが。


[皆混乱しているっぽいねー。じゃあ脳内に送って説明するね]


文末に☆が付きそうな感じで言われた直後、またしても何かが頭に送り込まれた。




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異能スキル

魂に刻まれる特別な能力。

異能を使うと、精気と呼ばれる魂の力を消費して世界への干渉を行うことができる。精気を循環させることで、身体や物体の強度をあげることも可能。


同じ魂を持つものは同じ異能を得ることがある。違う魂でも同じ異能を手に入れることはある。魔法は異能に内包される。異能は元から使えるモノではなく、異能覚醒スキルアロウズの儀式を受けてから異能板スキルボードでの認識を経て、権能の行使が可能になる。


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[てな感じでーす!皆分かったねー?]


…一応なんとなく理解した。


[で、改めましてなんだけど。皆には異能を授けたいと思いまーす!ただ、異能にも強弱とか向き不向きがあって、強い異能でも使いこなせなかったりするとどうしても弱くなるんだ。元がヨワヨワの異能でも使いこなせばとんでもなく強くなるからみんなには頑張ってほしいけどね]


なるほど。魂に刻まれるという説明からすると地球側あっちの魂にも異能は刻まれるらしい。ただ、地球にはおそらく異能覚醒の方法がない。だから異能の認識もできず、異能の行使もできない。ということなのだろう。


[じゃあ面倒だから一気に覚醒させちゃうね!それじゃあ目を閉じてね!]


面倒だからってひどいな、と思いながら言われた通りまぶたを降ろす。


[カウントダウンするよ?3,2,1…『異能覚醒スキルアロウズ』!]


いきなり頭が殴られたような衝撃が走った。いや、物理的な痛みや衝撃はない。例えるなら、ジェットコースターに乗っているときに吹き付けてくる風の感覚を脳の一部(たぶん視床下部ら辺)だけが受けているような感覚。

少し間が空いたあと、またジストの声がした。


[よし、みんな無事に覚醒できたみたいだね。それじゃあみんな、今度は【異能板スキルボード】って言ってみて。目の前に有色半透明の板が現れたら成功だよ!]


やっぱりお約束遵守だな。異能はまだ認識できていない。であれば異能板があるのは当たり前だ。先生も含めた皆が一斉に言う。


「「「「「【異能板スキルボード】」」」」」


すると目の前に黄色で半透明の板が現れた。触ろうとしたら手がすり抜けてしまったからこれは非実体なのだろう。そんな事を考えて書いてあることを読んでみた。


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名前 時雨シグレ 雄汰ユウタ

年齢 13歳

種族シリーズ 普遍人族ヒューマン

称号クラス なし

異能スキル 【言語理解】

   【エクレール

   【消去イレーザー


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感想。わけわからん。特に異能。【エクレール】と【言語理解】はまだ理解できる。でもなんだよ【消去イレーザー】って。直訳何?消しゴム?

と、考えていたらまたしてもジストから声がかかった。


[みんな混乱してるかなー?それじゃあ異能板の異能の名前の所を触ってね!その異能の説明が見られるよ!]


触ると言われても非実体なら触れないのでは?と思ったが一応効果が全く分からない【消去】の所をタッチしてみた。するとボードの画面が切り替わった。


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消去イレーザー】ユニーク

接触したものを空気に変えて消す『消去体』を手元に出す。消せないものはない。体積は4㎥以下ならば自由。形状は自由自在。対応するレリックには異能付与エンチャントが可能。

体から離すことはできない。アクティブスキル。


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予想していた通りの権能だった。全てを消す能力。俺が読んでいたWeb小説にもこういうスキルを持っている主人公がいた。ただ、体積が4㎥で固定されているのは意外だった。あと体から離せないのも不便かもしれない。


そして一番気になるのは名前の横についている「ユニーク」の文字だ。ユニークというと固有の能力ということだろうか。つまりこの【消去】は俺だけの権能。俺しか持っていない異能ということ。


………………かっけぇぇぇええええええ!

しかも権能がまたかっこいい。すべてを消し去る。消せないものはない。厨二心がくすぐられる。永遠の厨二の心が疼くぜ。


そんなことを考えていたらジストから声がかかった。


『やあ、時雨君!はしゃいでくれているようだね!』


どうやら個人的な通話のようだ。ご無沙汰してます。

で、このユニークってのは俺の認識であってます?


『あぁ、理解が早くて助かるよ!その【消去】は君だけの異能だ!いやー前回召喚された人たちはまぁ驚くほど理解が遅かったから、ホント助かる』


ちなみに前回って地球で言うとどのくらいで?


『うーん、そうだねぇ…詳しくはわからないけどシルクハットとかを被った人が和服と洋服を着た人が半々くらいの頃だね。そんときも学校から召喚したんだけどさ』


シルクハット…つまりそれ明治か大正ってことだよな?そりゃ受け止めてもらえんわ。いきなり超能力使えますとかまず混乱するだろうし現代と違ってそういう小説とかないし。

あと気になっていたのが最後の『アクティブスキル』っていうところなんですけどこれは…


『あー、それは自分でON/OFFを切り替えられるってだけの意味だよ』


合ってた。あとここに書いてあるレリックてのは…


『それじゃあ5分くらい待つから自由に見ててね!』


たぶん聞いてなかったのだろう。聞いていないだろうが、了解です、と返事をしておいた。

じゃあ次は【雷】の説明を読んでみよう。異能板の【雷】の所をタッチ。画面が切り替わった。便利だな。スマホみたい。


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エクレール

雷を出して操る。形状は自由自在。対応するレリックであれば異能付与エンチャントも可能。アクティブスキル。


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ほほう。なかなかに強そうな異能だ。単純に雷を操るだけの権能。だが雷というのは自然現象の中でもかなり強いエネルギーを持っている。それを操れるのは間違いなく強いだろう。それと、さっきは「ユニーク」とあった文字がなくなっている。ユニークスキルだけは所有者が判別できるということなのか。


『時雨君、御名答!ユニークスキルは他の異能と比べて優れている権能や進化先を持っていることが多いから、あえて表示しているんだよ。ちなみに、所有者の経験や意志、レリックなどによって異能は進化することもある。特別に教えてあげるけど、君の持つ【消去】と【雷】はそれぞれあと2回進化を残しているよ』


ジストがまた話しかけてきた。どうやらスキルは進化するらしい。こういう異世界大好き。んで、ユニークスキルが他より強いというのもお約束遵守だ。当たり前と言えば当たり前。


あとジストさん、さっき聞こうとしてたんですけど、この「対応するレリック」っていうのは何ですか?


『あーはいはい、レリックね?レリックっていうのはね、異能と対応するもののことだよ。剣だったりナイフだったり、はたまたキセルだったりコートだったり色んなものがあるけど、鑑定しないとわからないんだ。大体のレリックは対応する異能を強化したり使いやすくしたりするよ』


レリック。直訳すると聖遺物、か。異能を強化できるのなら手に入れてみたいな。


そして、そんな事を考えていた直後、ジストが全体にアナウンスをかけた。


[それじゃあみんな!異能も確認できたみたいだからいよいよ迷宮ラビリンスに挑んでもらうよ!]


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こんにちは!作者の ちどりふで です!

初めての作品になるので文章が拙い所がありますが見守ってくださると嬉しいです!

誤字などはコメント欄で教えていただければ訂正します。

他にも感想などがあればぜひコメント欄に書いてください。★とフォローもよろしくお願いします!


次回、迷宮ラビリンス。ただし、迷宮突入は次々回。お楽しみに。

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