第3話 君との暮らし
(…女なのに、なぜ…?
男の俺を前にして、何を考えているのか全くわからない…)
「よし。」
やがて髪を乾かし終え、丁寧にとかしてやると、先ほどとは違い、しっとりと艶のある綺麗な髪になった。
時計を見ると、夜も遅くなってきていた。
そろそろお腹が空いてきたなと思い、なんとなく二人分の食事を作る。
(普通に考えたら女に手作りのものを振る舞うなど、婚約を迫られても文句言えないことをやってるよな)
そんなことを思いながらも料理を作る
作ったのは簡単な和食だったが、リズに出してみると、箸の使い方があまり上手くないようだった。
そこで、フォークを差し出す。リズはそれを受け取り、初めて食べるかのように、もぐもぐと口に運んだ。
リズがフォークで食べている様子を見ながら、ふと思う。
(…こいつ、箸使えてないし。海外の人なのか?
てか、本当にどこの誰なんだよ…)
リズはそんな俺の疑問なんて気づきもしないように、
もぐもぐと、静かに、ただ食べ続けていた。
リズは食事を終えても、寝るときでさえ俺に行為を迫ることはなかった。
布団に入っても、互いに普通に別々で眠る。
食事を終えると、リズは何の指示も出していないのに、
当たり前のようにリビングのソファへ向かい、そのまま横になった。
(……え、そこで寝るのかよ)
止める間もなく、リズは静かに目を閉じる。
男の家で、男の前で、無警戒に。
普通ならあり得ない行動ばかりだ。
(ほんっと、わからん……この女)
けれど、襲ってくるわけでも、近づいてくるわけでもない。
その無害さに、逆に疲れが出てきて――
俺も結局、別室へ引き上げることにした。
(…ん?ちょっとまて、俺は俺でなんで普通にいきなり家に入ってきた不審者家に泊めたんだ!)
だが、もはや考えるのも面倒くさくなってきた。
(……襲ってこなさそうだし。明日考えよう)
そう結論づけて、思考を放棄した。
いいねコメントお願いします!今回少し少なくて申し訳ないです!次の投稿は月曜です!21時半くらいに投稿します!
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