孤独、妄想、自分勝手。人は絶対に逃れられない。

主人公のおかれた心理状態が、丁寧な描写から、自分のことのように実感できます。

孤独。つらい。だからすがる。何かに。甘美な妄想に。
孤独が薄らぐ。久しぶりの喜び。充実感。

でもその妄想が、自分の理想と食い違い始めたとき、疑う。
救ってくれたはずのものに。

本当に人間は、業の深い、自分勝手な生き物だと、あらためて実感しました。
人間の愚かさについて考える、大変濃密な読書体験をさせていただきました。