第4章 激闘



 鏡の森中部 アサル渓谷付近-


「負傷者は回復を優先!!薬水残量は常に注意!!」

「方位190、上空より竜の群れが接近!数、凡そ10!!」

「第四小隊で牽制せよっ!!」

「了解!!」

「竜種の魂核は基本的に胸部中央と思われる!!攻撃は全て対象の胸部中央に

 集中!!」

「報告!!第一小隊対応中の左後方の竜群、抑え込みは困難!!指示を求む!!」

 月明りに照らされた夜の森で、松明やトーチを掲げて軍馬に跨り撤退中の男達

 の声が矢継ぎ早に聞こえて来る。

「第一小隊は殿しんがり中止!撤退速度を上げ、本隊との合流を急げ!」

「了解!」

「及び、遠距離部隊は前方上空の敵の群れに向け牽制攻撃開始!敵の降下、接近

攻撃を許すな!!総員は撤退陣形を維持し移動を継続!!」

 討伐隊を一手に取り仕切るカエラ副指令の勇ましい声が立て続けに聞こえると、

その指示を大声で復唱する各部隊の隊長の声が森に木霊する。

 間髪入れず前方の夜空に向けて一斉に牽制の法術攻撃が放たれた。

 恐るべき力を秘めた強烈な光弾の数々が夜空を一際明るく照らし出す中、騎士達

は軍馬を進めていく。

 しかし同時に、男達は自分達が絶望的な状況にある事を悟った。

 上空の空を埋め尽くす程の黒竜の大群が、夜空に照らし出されたからである。

 しかも想像を絶するほどの巨大な竜までもが視認できた。

「こ、これは・・・」

「黒竜っ!?」

「か、数が多過ぎる!!」

「巨大な個体を発見、方位225、高度400!!」

「落ち着け!撤退の陣形を維持せよ!!」

 再び強烈な法術の光弾が夜空を駆け抜けていく。



 数日前-

 ディオンの街に到着した商団より、鏡の森の北東で魔牛の群れに襲われかけた

との通報が齎されると、王国騎士団ディオン駐屯部隊は調査隊を現地に派遣。

 5日後、調査隊が30頭を超える魔牛の群れを視認。湧水が流れる小川沿いを

拠点に群れが定住する可能性が高い事をディオンに報告。駐屯部隊は即刻討伐隊

を編成し、鏡の森北東部に向かわせるも、その手前で竜の群れと遭遇。

 予想外の会敵、しかも夜間だった事もあり、竜種や規模の把握が難しく討伐は

困難と判断。撤退を開始するも、討伐隊は追撃してくる竜達の猛攻に晒される事に

なった。


 後方から一気に追い抜いて旋回し、前方に回り込んで来た数頭の黒竜が急降下し

ながら討伐隊の頭上を掠めて飛び去っていく。

「くっ・・・上空への牽制を続けろ!撤退陣形を崩すな!」

 続けざまに後方で激しい衝突音が聞こえた。

「右後方配置の第五小隊、降下攻撃の回避間に合わず!」

「第五小隊、負傷者多数!軍馬を乗り合わせて撤退を再開している模様!」

「小隊の合流を優先!少しだけ撤退速度を抑えろ!・・・くそっ!」

-よりによって相手が黒竜、しかもこれ程の大群とは・・・

 カエラが唇を噛む。

 古来より竜部族は魔族の中でも最強の部族とされており、中でも黒竜は最悪の

狂暴種、死の象徴と謳われる恐怖の存在であった。

 その評価通り、黒竜は異常な程に高い知能と、驚異的な機動力、攻撃力、防御力

を有し、強烈な無属性魔法と闇属性魔法を際限なく撃ち続けて来る。

 しかも隙あらばその口から「黒炎瘴気」と呼ばれる上位竜特有の凶悪な呪詛を

籠めた爆炎を吐きかけ、如何なる敵も瞬時に尽く屠り尽くそうとするのである。

 通常であれば、黒竜の討伐ともなれば国を挙げて万全の準備の基に行うもので

あり、駐屯騎士団の中隊規模で対処できるような相手ではない。それが今や、大群

となって彼等の頭上を飛び交っていたのである。

 誰も口にはしないものの、全ての騎士が己の死を覚悟した。


-これ以上、負傷者を抱えての撤退は厳しい。・・・どうする?騎士の誓いに反し

負傷者を置いていくか、それとも騎士の誇りと共にここで全滅するか・・・。

 黒竜の群れを睨みながら逡巡していたカエラ副指令は、ふと口元を緩めた。

-我ながら愚かな事を。騎士の誇りを天秤にかけるとは!

 カエラは自分の両頬に気合の張り手を入れる。

「カイト!そのドミの林とやらまでは後どれくらいかかる!」

「目印の五十棘の大岩を越えたので・・・今の撤退速度だと、あと10時間ほど

だと思います!」

-早駆けなら3.4時間といったところか・・・

「よし、引き続き道案内を頼む!最短経路で、だっ!」

「はっ!!」

-この移動速度では全滅は免れまい。ドミの林まで逃げ込めたとて、そこで竜達

が諦めて帰ってくれる保証も無い。しかも、林の先にはブルク村やディオンの街が

ある。これ以上、竜の群れを引いていくのは・・・危険だ。

 カエラが夜空を睨んだ。

-・・・ならば我々は負傷者と共にここで黒竜達を抑え込む。せめて新人達だけでも

逃がさねば。

 最後の指示を出そうとしたカエラの頭の中にひとつの疑問が浮かんだ。

-待てよ。・・・なぜ黒竜達は本気で我々を攻撃してこないんだ?知能の高い黒竜

なら、我々など一瞬で殺せると雑魚だと理解しているはずだが?

 カエラが思考に落ちていく。

-本来、黒竜は単体か番いで行動する部族。このように大群を成し、集団狩りを

するなど聞いた事が無い。しかも、まるで我々を森の南側に追い出そうとしている

かの様なこの動き。・・・いや、違うな。我々がこの先のドミの林に逃げ込む事が分か

っていて尚、林に追い込もうとしているように見える。・・・完全に弄んでいるのか?

・・・異常な数の黒竜・・・意図的に思える集団行動、高度に統制された動き。それらが

齎す答えはつまり-

 カエラは再び闇夜を睨んだ。

-群れの中に黒竜を統べる個体、古竜がいる・・・か。


 古竜とは数十万、数百万年を生きて来た黒竜を指す言葉である。

 古竜は黒竜達の中では王として見做されており、何があろうと古竜の命令を死守しようとする。

 現在まで確認された古竜との遭遇報告は極めて少ないものの、群を抜いて大きな巨体に常に敵の裏をかく狡猾さ、そして一瞬で大地を焼き尽くす闇属性の灼熱魔法

によって、 破壊と終局を体現した最悪の竜の王として語り継がれていた。

 確かに古竜こそが「黒竜王」という称号に相応しい存在といえよう。

 今のこの戦況を考えれば考えるほど、カエラの中で古竜の存在が現実味を帯びて

来た。

 自然と手が震える。それを周りに悟られぬよう、カエラは軍馬の手綱を強く握り

締めた。

-如何に最強種の黒竜といえど、ドミの木の成分は忌諱するはず。ならば我々が

林に逃げ込む前に仕留めたいはずだが・・・なぜ林に追い立てるような真似を?

「左前方の一群が降下攻撃に移る気配!総員、備えろ!!」

-知能の高い古竜が統率しているなら尚更だ。・・・待てよ、古竜は竜部族の中で

唯一あらゆる耐性を極めた存在。ドミの臭い如きに臆するとは到底思えん。奴が

ドミの林に先回りして挟撃を仕掛け・・・いや、考え過ぎか。我々に対しそんな回り

くどい戦法をとる意味が無い。我々との戦力差は一目瞭然だ。

 カエラは法術攻撃の光に照らし出される黒竜達を睨んだ。

「方位120、再び降下攻撃の気配!!備えろ!!」

-・・・奴等の行動理由を悠長に考えている暇は無い。もはや決断あるのみだ!

 考えを纏め大きく息を吸うと、カエラは声を上げた。

「総員、聞け!この状況を鑑みるに、古竜が背後で糸を引いてる可能性が高い!」

「なっ!?」

「こ、古竜ですか!?」

「確かに!黒竜の大群が連携するなど本来あり得ぬ事!」

「敵に不足無し!」

「もしや、先程視認された巨大な個体でしょうか!?」

「それを確かめる!これより3分後、法術職全員で上空に向けて照明系の法術を

掃射、夜空を照らし出せ!支援職と物理職は照らし出された上空を注視、古竜視認

時は即報告!古竜は巨漢で翼には特徴的な斑模様が浮いているとされている!古竜

の位置報告があれば、私の指示を待たずして、法術職は各自が持つ最強の攻撃を撃ち

尽くせ!回復の薬水も使い果たして構わん!物理職も弓と弩で攻撃支援!後の事は

一切考えるな!!万に一つ、司令塔たる古竜を追い払う事が出来れば、上空の群れ

も必ずついていくだろう!これが我々が生きてディオンに戻る為の唯一の策と心せ

よ!!」

「オオゥ!!」

 カエラの指示に騎士達が一斉に呼応する。

「カイト、作戦開始と同時に我々を待たず新兵を率いて全速で先を走れ!絶対に

振り返るな!我々はドミの林で必ず合流する。いいな!」

 瞬時にカエラの指示の意味を理解するカイト。

 -副指令は竜を引き付けて俺達を逃すつもりだ!!・・・くそっ!!

「はっ!!この先、道が何度か別れます。獣道には入らず進路を常に南西に取って

下さい!ドミの木が増えてくれば、目的の林まではそのまま一本道です!!必ず

・・・必ず来てくださいっ!!」

 上官の指示には絶対服従を叩き込まれているカイトの目が涙で霞む。

「我々の心配など百年早いわ!!・・・今だ、行け!!・・・・・・総員、準備!!!」

「従騎士5名は全員俺について来てくれ!!ドミの林まで先導する!!」

 カイトは軍馬に強く鞭を入れて先頭に躍り出た。

 従騎士達がカイトの後に続き、軍馬に激しく鞭を入れていく。

「・・・・・・照明法術、撃てぇっっ!!!」

 カエラの怒号の様な指示と同時に-

 カイト達の背後を、法術の閃光と轟音が飲み込んだ。




 懐かしく、そして安堵を齎すドミの木の香りがカイトの鼻先を擽る。

「着、着いた!!着いたぞおっ!!!ここだ!!もう少し走ったところに開けた

草場がある!そこで陣形を整えよう!」

 カイト達はドミの林の中を疾駆すると、ものの数分とかからず目的の草原地帯に

到着した。

「た、助かったあああ・・・」

「泣くな!まだ終わってないぞ!」

「カイト、これからどうする?」

「すぐに副指令達が追って来るはずだ。今のうち目印になる焚火を作っとこうぜ。

後はいつでも動けるように騎乗迎撃陣形を組んで警戒待機しよう。」

「そうだな。」

「焚火了解!」

「分かった!」

「了解!」

 カイトを含め6人の若者達は一斉に下馬して焚き火用の枯れ木を集めだした。

 そして慣れた手付きで薪を何段にも組みあげて火を点けると、全員軍馬に再騎乗

してカイトを中心に集まった。

「怪我してる奴は今のうちに薬水を飲んで療布を取り変えろ。薬水が少ない奴はいるか?少しなら分けるぞ。」

「カイト、俺もう薬水が残ってない。」

「これを使ってくれ。干し肉と水が無い奴はいるか?」

「大丈夫だ!」

「ある!」

「俺も干し肉と水は余裕あるぜ!無い奴には俺が渡す!」

「全員大丈夫そうだな。近くに川があるから、給水はいつでも出来るぞ。今出来る

準備はこれくらいか。・・・あと、俺達の中で法術系の祝福持ちはマリアだけ・・・だよ

な?」

「わ、私、そんな強い法術は撃てないよ?」

「うん。まあ、ドミの木がある限り、奴等はこちら側に入って来れないから大丈夫

だろ。ただ、俺達全員近接職と支援職で弓も弩も持ってないしさ、遠距離職がいる

ってだけで心強いんだよ。」

 カイトが笑う。

 緊張を解こうとカイトなりに陽気に話しかけるが、やはり誰しも恐怖心を抑え込

む事が出来ていないようだ。5人共、神経質に上空やこの草原の入り口付近に視線

を向けている。

「ま、ここまで来れたんだ。落ち着いていこう!」

「そうだな!」

「ああ!」

「副指令達が来るまでの辛抱だ!」

 その時、必死に己を奮い立たせる若者達の上空を巨大な影が覆った。

「え!?」

「なっ、なんだ!?」

「マジ・・・かよ・・・」

 まるで木の葉が舞うように、巨大な竜が左右に旋回しながら降りて来る。

 その着地と同時に激しい振動と爆風が6人を襲った。

「うあっ!!」

「くっ・・・!!」

「いってえええ・・・」

「う、馬がっ!」

 訓練されている軍馬達だが、突然の恐怖に若者達を振り落とし、方々に全速力で

逃げだしていった。

「く・・・くっそ!!!」

 真っ先にカイトが立ち上がり、剣を鞘から引き抜く。

「ひ、ひいい!!!」

「死にたくねえよ!」

「お、お母さん・・・」

 カイトは腰が抜けて立つことが出来ない5人の前に出て剣を構えた。

 相対する竜はあまりにも巨大で、あまりにも凶悪過ぎる。

 もはやその視線だけで気を失いそうになる程だった。

《この時を待っていたぞ。人の子等よ。》

 脳内に直接竜の言葉が流れ込んで来る感覚。

「こ、こいつ、喋れるのか!?」

 従騎士の一人が思わず声を上げる。

「いや違う、授業で聞いたろ!これが精神感応、意思や思考を飛ばしてくる竜の念話

の能力だ!全員、気持ちを強く持てっ!!呑まれるぞ!!」

 カイトは授業で習った知識を思い出して指示を出す。

《クッファッファ・・・。生きが良いのぅ。ひとつ教えてやろう。知っているか?人間

族の脳は恐怖し絶望すると赤く色付き、特殊な成分が一斉に湧き出してくるのだ。

・・・そして心の臓は早鳴りし、体温は上がり、呼吸は乱れ、思考は異常を来し乱れて

しまう。今のお前達のようになぁ。そうした極限状態にいると人の脳は不安と恐怖

の余り徐々に縮みだすのだ。その瞬間がなぁ・・・・・・一番美味い。》

「う、うるせえよ!トカゲ野郎!!」

《お前達に最高の恐怖、最高の絶望を味わってもらう為、我はこの宴を設けた。》

 古竜の巨体から想像を絶する程の邪悪な気が放出された。

《ああ・・・・・・美味そうな匂いだ。特にお前の後ろの5匹は今が食い時のようだぞ?

・・・逃げ切れたと思った瞬間、限界の恐怖と絶望を味わった今・・・どんな気持ちだ?

ゴアアアアアアアアアッッッ!!》

 古竜が特大の咆哮を上げる。

「ひぃっ!・・・・・・じ・・・上等だよ、この野郎!」

 カイトが静かになった後ろにチラッと視線を送る。

 他の5人は今の咆哮で気絶したようだった。

 ―お、俺もう無理だ。・・・こ・・・怖ええよ・・・

「く・・・くっそこらああああっ!!」

 カイトは構えていた剣の柄で己の腿を強く撃ち、折れそうな心に気合を入れた。

《ほう。お前も・・・青臭いが極上の匂いがしてきておるぞ。もう辛抱ならん!!食う

てやろう!!》

「やってみろやあああああ!!!」

 その時、後ろの草むらから何かが飛び出した。

「カイトからぁっっ・・・離れろっっ!!!!」

 古竜の背後から巨大な尾に向けて全力で振り下ろされたヒロの火掻き棒が、竜の

尾の形に沿ってグニャリと歪む。

「げっ!・・・うわっ!」

 古竜は振り向く事も無く尾を斜めに一閃させ、ヒロを地面に叩きつけた。

「ガハッ!!!」

《兎か犬ころかと思うたわ。邪魔をするな、小童。》

「ヒロっ!?なんでお前がここにっ!?」

-あー・・・これ腕とかアバラとか・・・いっぱい・・・逝ったかも

「カハッ!!」

 大量に吐血するヒロ。

「に、逃げろ!!ヒロおおおおお!!!」

「あ・・・あぁ?・・・に、逃げ・・・るだ?・・・なわけ・・・ねーだろ。」

 激痛で霞む視界の中で、少年はヨロヨロと立ち上がった。

-効い・・・たぜ・・・

 目がグルグル回る。

「ウォオオエ・・・」

 血と共に胃の中の物が一気に逆流してきて、鼻と口から地面にぶちまけた。

「ハァ・・・ハァ・・・」

「逃げてくれ!逃げろヒロォォッ!!!」

「う・・・うるせえ・・・よ。」

 ヒロが腰の革袋から蒼水の硝子瓶を取り出した。

 -蒼水の瓶・・・割れて・・・ねえし。・・・法術で強化・・・され・・・てんのか?

 歯で栓を引き抜き一気に飲み干す。

 ーい・・・痛みが引いていく・・・少しは動けるな

「カハッ!」

 気道に残っていた吐瀉物を吐き出した。

「ヒロ、頼むから・・・頼むから逃げてくれ・・・。」

 カイトが泣き出した。

《おお・・・・・・こやつ、一層旨味を増しておるわ!感謝するぞ子兎!》

 古竜の躰が狂喜に打ち震える。

《なれば無力なる小兎よ・・・お前をこの場で喰らい、咀嚼し、こやつを更なる至極の贄へと昇華させる。我に協力せよ。》

「うあああああああああ!!!!」

 カイトが全力で飛び出して、鋭利な剣先で古竜の脚を突いた。

 ガキンッ!

 鋭い音と共に剣が折れ、その飛び散った破片がカイトの右肩をえぐった。それで

もカイトは狂った様に折れた剣で何度も連撃を打ち込んでいく。

 しかし、どの攻撃も鋼のような鱗に傷一つ付ける事さえ出来ずにいる。

 古竜はカイトをまるで意に介せず反転すると・・・ヒロを威圧する様に睨みつけ、

そして残酷にも襲い掛かった。

 一瞬、ヒロは時間が止まったかのような錯覚を覚える。

-あぁ。・・・これで・・・死ぬのか、俺。

 すぐ目の前に大口を開いた竜の顔があった。

-なんもできやしねえ。・・・いや、ひとつだけ・・・・・・できる。最後に使う祝福だ、

クソったれ


「抽出!」


 次の瞬間ー


「ゴオオガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 巨大な古竜は天を割るかのような大絶叫を虚空に吐き出し、そしてゆっくりと後ろに倒れていった。

 その巨体が倒れた衝撃で地面が激しく揺れ、砂埃が濛々と舞い上がる。

「・・・・・・へ?」

「・・・・・・は?」

 ヒロとカイトは呆然としながら動かなくなった巨竜を見つめた。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 その時、ヒロの脳内を文字が駆け巡った。





 抽出により神級魂核 1 獲得


 熟練度120222   獲得


 抽出            上級に昇華

 派生能力「一次抽出」獲得  上級に昇華

 派生能力「二次抽出」獲得  上級に昇華

 派生能力「範囲抽出」獲得  上級に昇華

 派生能力「抽出管理」獲得  上級に昇華

 派生能力「注入」獲得    上級に昇華


 称号 「抽出の匠」「竜殺し」「蛮勇なる魂」獲得



脳内の文字を追いかけていると、突然ヒロの全身が灼熱に焼かれたかの様な痛み

と熱気を帯びた。

「痛っ!?・・・な、なんだ?急に体が熱っっ・・・・・・くない?あ、あれ?どうなって

んだ、これ・・・」 

 荒波が引いていくかの様に痛み熱とが引いていく。

 ヒロは息を整え、服が焦げてたりしないか確かめた。

-な、なんだ今の?・・・と、とりあえず・・・読み進めるか。

 ヒロは竜の様子を警戒しつつ、再び脳内の文字を追いかけていく。

-ん、神級魂核1獲得・・・・・・あっ!!魂核って確か・・・って事は、もしかして、

こいつの魂核を抽出したから即死させられた?・・・絶対にそうだ!間違いない!!

 ヒロは目を見開いて思わず口も開いた。

 そして念の為に周りを見回すが、やはり魂核らしきものはどこにも見当たらなか

った。

 -やっぱ抽出した物は無いか・・・。で、熟練度120222獲得??さすがにこれは多すぎじゃね?タツミでも87って言ってたし、この数字は異常だろ・・・

 ヒロは恐々竜に近づき、足で何度か蹴って死んだ事を確かめると、少し離れて腕

組みをして座り込む。

-うーむ・・・、この熟練度の数値は信じていいのか?勘違いとか見間違いとかある

んかな?うー・・・全くもって分からん。

 思わずヒロは宙を仰いだ。

-とりあえず続きを見とくか・・・抽出の祝福が上級に昇華。って事は・・・中級って段階

は飛び越したって事でいいんだよな?・・・それで派生能力5つと称号3つを獲得した

・・・と。

 呆然としていたカイトも恐る恐る竜が死んだ事を確かめてから、急に黙り込んだ

ヒロの傍に転がるように駆け寄って来た。

「お、おい、傷を見せてみろ!!ヒロ!!しっかりしろ!!」

「あ・・・ああ、ちょっと待って。今忙しい。」

-この派生能力って何なんだ?どうやって使うんだろ・・・それにこの称号ってのはなんだ?・・・なんか意味あんのか?

「忙しい?忙しいって何が!?おい、どっか痛むのか!?ヒロ、大丈夫かっ!?」

「あ、え?・・・そういや俺、全然体が痛くねーんだけど?・・・あれ!?傷も・・・・・・

治ってる。あれ??」

 肩や胸、脇腹と膝を素早く確認していくヒロ。

-蒼水効果!?・・・いや違う!全快まではしてなかったし。・・・でもこれ・・・治った

どころか、体が軽いぞ?それになんかすっげー力も入る・・・

 ヒロは自分の掌を何度か握り締めて見つめ、体の中から湧き起こる「活力」と

漲り溢れる「力」に遅ればせながらに気付いた。

-あっ・・・熟練度が上がると、生命力とか身体能力とか色々向上するって話だった

けど、治癒力とか再生力とかも上がった感じかこれ?・・・だから治った?熟練度1万

超えてんなら、かなりのもんだろうし・・・そうか、さっき体が焼けるように熱くなっ

たのも、そういう変化が原因なのかも・・・。

「えっと・・・怪我、なんか治ってたっぽい。」

「なわけねーだろ!!あんだけぶっ飛ばされて血吐いてたのに!!とりあえず安静に

してろってっ!!」

「すまん、ちょい考え事してっから黙ってて。」

「か、考え事?・・・やっぱ頭打ってんだろ!?頼むからしっかりしてくれよ!!」

「落ち着けカイト。」

「おいっ、いいから寝てろって!!!」

「だから体を揺らすなっつーの!」

-てか、やっぱこの派生能力ってのが超謎だな・・・。一次と二次ってなんだ?範囲

抽出は何となく分かる気もするが・・・。それに抽出管理と注入ってなんぞ?・・・うん、

とりあえず使ってみるか。

 ヒロは古竜の死骸と相対した。

「一次抽出。」

-ん?

「二次抽出!」

-あれ?

「抽出管理?」

-おいおい、何も起こらねえじゃん・・・。なんなんだよ!いったい!

「チッ・・・」

-んじゃこの死骸を・・・

「抽出。」

 ヒロが呟いた瞬間、古竜の巨大な死骸が忽然と消えた。

「へっ!?」

「うぉっ!?」

 いきなりの事でヒロとカイトの動きも思考も停止する。

「きっ、消えっ・・・」

「あ・・・うん、消えた!てか、消した!」

-死骸を一気に全部抽しちゃったのか!!・・・抽出が上級になったからか?そんな

事ってある?

 隣でカイトが慌てて周辺を見回している。



 抽出管理始動


 抽出により

 古竜王の頭部1 古竜王の胴体1 古竜王の肢4   

 を獲得


 対象死亡の為、一次抽出不可

 対象死亡の為、二次抽出不可




 ヒロの脳内を文字が流れていった。

-ほー!てことは、生きてる相手に抽出使えば、一次も二次も勝手にやってくれる

ってことなのか?・・・この表記だと抽出管理は勝手になんかやってくれてるっぽい

し・・・。でもやっぱ・・・

 ヒロは周りを見回す。

-抽出した物ってどこにも無えんだよなー・・・。竜の死骸はどこにいったんだ!?

「うーむ・・・」

 思わずヒロが唸り出す。

「あああー!考えても分かんねえ!!」

「うおっ!!な、なんだいきなりどうしたああヒロおおお!!」

「うー・・・」

-ちょっと待てよ。派生能力で「注入」?・・・注入って確か、抽出の反対って神命式

で書記官のお姉さんが言ってなかったっけ?・・・さっき抽出した死骸をこの場に注入

してみたらどうなる?

「ちょいカイト、離れててくれ。さっきの竜を・・・注入。」

 突然、目の前に6分割された古竜の死骸が現れた。

「えっ!?」

「おおっ!?」

 二人揃って飛び退き、再び動きと思考が停止する。

「でっ、出て来たあああああああっ!!!」

 ヒロが絶叫した。

-大正解だ!!!抽出したものは注入で出せるんだ!!!

 感動でヒロが立ち竦む。

-・・・てかこれ、どこに収納されてたんだろ!?

「お、おい、ヒロ・・・もしかしてこれってお前が何かしてんのか?」

「うん。ちょっと抽出をなー。今、俺の祝福について絶賛研究中。」

 古竜の死骸からはクセのある甘い香りが漂って来る。

「う・・・これ、なんか匂うな。」

「く、くっさ・・・。」

「なあ、もう一回抽出したらどうなるか試してみてもいいかな?」

「お・・・おう、別にいいけど・・・ヒロ、体は本当に大丈夫なのか??」

「大丈夫大丈夫。抽出。」

 竜の躰だったモノが掻き消えた。




 抽出管理始動


 抽出により

 古竜王の皮6 古竜王の鱗4 古竜王の毛8 古竜王の骨419 

 古竜王の臓器48 古竜王の肉73 古竜王の脂肪27 

 古竜王の血1 古竜王の体液28

 を獲得


 対象死亡の為、一次抽出不可

 対象死亡の為、二次抽出不可




-お・・・?部位からもっと細かく分解されていってる?・・・そっか、「抽出」を繰り

返してるからか。中から何かを取り出す作業を繰り返してんだから、全体的に分解

が進んで当然だわ。・・・で、血が1に体液が28・・・って事は、最後の数字は量じゃ

なくて種類別にした総数だな。・・・了解了解。なんか分かって来たぞ!

「んで、全部注入。・・・よおおし、出た!」

「うあっ!!なんかグロいの出て来たって!!」

 2人の前に一瞬で大量の骨と臓器、何種類もの肉質と脂質が山と積まれ、その

脇に血液や幾種類もの体液がぶちまけられた。

 先程の甘ったるい香りがより一層キツく漂って来る。

「うえっ!なんだこれ・・・。なんかさっきよりも臭くなってね?」

「うむー。・・・もっかい抽出する。」

 左から順番にグロい山が消えていく。

-やっぱり抽出対象は指定できる。指定しなきゃ一括で抽出になる感じなのか。




 抽出管理始動


 抽出により

 バルシャ魔脂4 エグサリ魔皮質2 サリュウ酸化質2 魔酸化化合物12 

 黒極化魔素13 鋼魔石灰素1 ダリタル塩化・・・




 ヒロの脳内を長々と文字列が掛け抜けていく。

-おー、抽出物が成分に変わった。

「さっきから何やっての、ヒロ?」

「ん、いや・・・さっきのでっかい竜なんだけどさー。ま、これ見て。・・・注入。」

 2人の眼前に黒や灰色の気体や褐色の噴煙が大発生した。

「うぁ!?」

 風に乗って噴煙が霧散すると、そこには幾種類もの砂や砂土、粘土状の物質や

ヘドロ状の物質で形成された小山が整然と並び、その傍には様々な色、粘度の水溜

りが現れた。

「抽出の祝福ってさ、繰り返したらこんな風にどんどん分解していくっぽいんだよ。でもまあ、考えてみたら「抽出」って、部位や成分を取り出す事じゃん?抽出を繰り

返してんだから、こんな風に分解されていっても当然っちゃー当然かなって。」

「ほお?・・・・・・え?マジ?」

「ん?マジ。」

「元に戻せる?」

「え?無理。たぶん・・・うん、無理。」

「え、おい!魂核は!?」

「魂核は別にあるで。」

「そ、そっか。いやでも竜の躰って、牙とか鱗とか・・・あと臓器とか?色々な部位がめっちゃ高く売れるって聞いたんだけど。」

「・・・そ、・・・そういうの早く言ってくれるううう??言うのおっせえよおおおお

カイトおおおぉぉ!!!」

「てかヒロ、お前・・・なんで元気なんだ!?あんだけ怪我してたのに絶対おかしい

だろ・・・」

「だーから治ったって。竜倒して熟練度上がったおかげで体が頑丈になったっていう

か、回復とかめっちゃ早くなったのかもしれん。多分俺、即死さえしなきゃ怪我な

ら秒で治る。」

「なわけあるかいっ!!」

「あ!てかカイト、これ飲め!回復の蒼水!!」

 ヒロが慌てて蒼色の硝子瓶をカイトに手渡した。

「え!?これって蒼水じゃん!?どうしたんだよ、こんな高級品!!」

「タツミが持っていって使えって。カイト、さっき折れた剣先で肩ケガしただろ!

ほらー、血出てんじゃん!うっわ・・・痛そ・・・。これ・・・、骨まで逝ってんじゃね??

カイトも飲め!すぐ飲め!!」

「お、おう・・・。」

 カイトも歯で栓を引き抜き、薬水を一気に煽った。

 その時、二人の頭上が一瞬で暗く染まった。

「え!?」

「ん!?」

 同時に夜空を見上げると、上空一帯が飛び交う黒竜の影に埋め尽くされ、星空が

まともに見えなくなっていた。

「く、くそっ!!あいつらが集まって来やがった!!」

「うぇ!?まだこんなにいんのっ!?」

「あいつ等、群れなんだ!!」

 その時、2人の耳に複数頭の馬の嘶きや馬車の車輪が地面を削る音が聞こえて

きた。

 草原地帯の入り口付近に目を向けると、軍馬と軍馬車の大集団がこちらに向かって

駆けて来ているのが見えた。

「あ!!副指令いいいぃっ!!!こっち!!こっちですーっっ!!!!」

 飛び上がって頭の上で手を振るカイトの横で、頭上を飛び交う無数の竜群を見て

いたヒロの顔が徐々に強張っていった。

 竜達は降りてくる様子はないものの、一斉に口元に不気味な黒炎を溜めだしていたからだ。

「おい、カイト。竜の口見てみ。なんだあれ?」

「え?・・・あっ!!やっべえ!!!上から爆炎攻撃を仕掛けてくる気だ!!あれは

ヤバい!!ヒロ、いったん逃げるぞっっ!!!おい、みんな起きろっ!!」

「待った、カイト。たぶんいける。」

「いけねーよっ!!!お前は先に森ん中に逃げ込-」

「まあ見てろって。・・・範囲抽出!!」

「え?・・・・・・・・・はいっっっ!?」

「おー、いいじゃん、範囲抽出でサックサクだわ!」

 頭上の黒竜達がごっそりと消える。

「お、おい、今・・・めっちゃ竜消えた!?」

「まだいっぱい残ってるって!!逃がさんっ!!食らえ、範囲抽出!とうっ!!・・・

とぅっ!!・・・ん?もう一発、とうっ!!・・・むっ。とおぅっ!!!」

「ううあああああっっ!?なんで竜がっ!!?一斉にぃ消えていゲッホ!・・・ゲホ

ン!ゴホン!」

 むせるカイト。

「なんか2.3匹めっちゃ素早いのがいるんだよなー。範囲抽出って、目視して範囲

が決定された後に発動するみたいだから、素早い奴には逃げられるんだよ。くっそ

こらぁっ!!・・・うー。・・・あ、じゃあ抽出っ!!お!!抽出なら余裕で仕留められ

る!!・・・対象を認知したら確定発動する感じか!」

「え、嘘だろっ・・・ヒロおおお!?お、お前か!?な、なにをして・・・えええええ

ぇ???」

「トドメの抽出っ!!・・・っしゃあああ!!全部仕留めたった!!見たかフォオオオオオオオオ

オ!!」

「お前達!ここでいったい何をしている!!こ、これはどういう事だっ!!」

 軍馬を降りて唖然として天空を見つめていたカエラは、少年達の傍まで駆け寄ると

咆哮のような詰問をぶつけた。

 カイトは驚いて敬礼し、ヒロは萎縮して棒立ちになる。

「倒れている従騎士達を保護!!急げ!!」

「黒竜どもはどこにいった!?逃げたのか!?」

「いや、急に消えた!!逃走するようなそぶりは無かったぞ!!」

「索敵には一匹もかかりません!!」

「どういう事だっ!?」

「私語を慎め!!総員、警戒陣形を崩すな!!索敵は続けろ!!今のうちに負傷兵

の治療に移れ!!」

「負傷者はその場に座って待機!!」

「救護員、こっちに!!」

 周囲は騒然としてる。

「あ、そうだ。カイト、俺そっちの木陰に干し芋と水と、毛布とか止血草とか手押

し車に乗せて持って来て・・・」

「おいお前達、私の問いに答えろ!いったいー」

 カエラの詰問が再び聞こえた瞬間、ヒロの脳内を大量の文字が駆け巡った。




 抽出管理始動



 抽出により

 古竜の頭部4 古竜の胴体4 古竜の肢16

 黒竜の頭部1863 黒竜の胴体1863 黒竜の肢7452

 魔竜の頭部22 魔竜の胴体22 魔竜の肢88

 闇竜の頭部155 闇竜の胴体155 闇竜の肢620

 死竜の頭部89 死竜の胴体89 死竜の肢356


 特級魔石18 最上級魔石853 

 を獲得



 一次抽出

 熟練度        1712895276

 魔力     96396740922746

 霊力             764980

 胆力            8490837

 を獲得



 二次抽出

 祝福:

 身体強化を獲得        最上級へ昇華

 能力強化を獲得        最上級へ昇華

 能力増幅を獲得        最上級へ昇華

 精神強化を獲得        最上級へ昇華

 耐性強化を獲得        最上級へ昇華

 思考強化を獲得        最上級へ昇華

 知力強化を獲得         最上級へ昇華

 寿命増幅を獲得        最上級へ昇華

 魔力強化を獲得        最上級へ昇華

 魔力増幅を獲得        最上級へ昇華

 自己回復を獲得        最上級へ昇華

 超速治癒を獲得        最上級へ昇華

 身体修復を獲得        最上級へ昇華

 生命再生を獲得        最上級へ昇華

 絶対防御を獲得        最上級へ昇華

 精神防御を獲得        最上級へ昇華

 物理防御を獲得        最上級へ昇華

 魔法防御を獲得        最上級へ昇華

 絶対回避を獲得        最上級へ昇華

 精神感応を獲得        最上級へ昇華

 飛行を獲得          最上級へ昇華

 飛翔を獲得          最上級へ昇華

 神速を獲得          最上級へ昇華

 探知を獲得          最上級へ昇華

 察知を獲得          最上級へ昇華

 思考加速を獲得        最上級へ昇華

 聡明叡智を獲得        最上級へ昇華

 会得促進を獲得        最上級へ昇華

 調律抑制を獲得        最上級へ昇華

 慧眼を獲得          最上級へ昇華

 看破を獲得          最上級へ昇華

 鑑定を獲得          最上級へ昇華

 神通力を獲得         最上級へ昇華

 竜眼を獲得          最上級へ昇華

 心眼を獲得          最上級へ昇華

 変化を獲得          最上級へ昇華

 念話を獲得          最上級へ昇華

 監視を獲得          最上級へ昇華

 捕縛を獲得          最上級へ昇華

 調伏を獲得          最上級へ昇華

 威嚇を獲得          最上級へ昇華

 篭絡を獲得          最上級へ昇華

 懐柔を獲得          最上級へ昇華

 洗脳を獲得          最上級へ昇華

 預言を獲得          最上級へ昇華

 先見を獲得          最上級へ昇華

 瞬撃殲滅を獲得        最上級へ昇華

 瞬間移動を獲得        最上級へ昇華

 空間転移を獲得        最上級へ昇華

 空間遮断を獲得        最上級へ昇華

 空間創造を獲得        最上級へ昇華

 予測予知を獲得        最上級へ昇華

 千里眼を獲得         最上級へ昇華

 暗視を獲得          最上級へ昇華

 精神支配を獲得        最上級へ昇華

 思考支配を獲得        最上級へ昇華

 行動支配を獲得        最上級へ昇華

 即死滅魂を獲得        最上級へ昇華

 行動封鎖を獲得        最上級へ昇華

 範囲破壊を獲得        最上級へ昇華

 範囲復元を獲得        最上級へ昇華

 竜呪詛を獲得         最上級へ昇華

 竜呪幻を獲得         最上級へ昇華

 竜呪操を獲得         最上級へ昇華

 竜呪縛を獲得         最上級へ昇華

 竜呪妖を獲得         最上級へ昇華

 闇属性魔法を獲得       最上級へ昇華

 無属性魔法を獲得       最上級へ昇華

 火属性魔法を獲得       最上級へ昇華

 古代黒魔術を獲得       最上級へ昇華

 古代神聖術を獲得       上級へ昇華

 結界術を獲得         最上級へ昇華

 古代結界術を獲得       最上級へ昇華

 威格強制を獲得        最上級へ昇華

 眷属化を獲得         最上級へ昇華

 眷属召喚を獲得        最上級へ昇華

 加護付与を獲得        上級へ昇華


 派生能力:             763を獲得

 

 

 同種・同系統の祝福、派生能力を統合済み

 称号   「畏怖なる存在」「殺戮王」「慈悲無き狩人」「虐殺王」「竜王を屠る者」

      「魔喰いの王」「強欲の異端児」を獲得

派生能力  「三次抽出」「心身調律」を獲得



 抽出              最上級に昇華

 一次抽出            最上級に昇華

 二次抽出            最上級に昇華

 三次抽出            最上級に昇華

 範囲抽出            最上級に昇華

 抽出管理            最上級に昇華

 注入              最上級に昇華

 心身調律            最上級に昇華







「こ、これ・・・・・・あかんやつや。量・・・が・・・多過・・・・・・ぎ・・・」

 ヒロが蹲る。

「お、おい・・・ヒロ?ヒロオオオオオ!!」

 カイトが絶叫が遥か遠くに聞こえ、そこで意識が途切れた。




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